水槽内のお掃除をした時や
別の水槽に引っ越しをさせる際には、
メダカを新しい飼育水に慣らすために
「水合わせ」を行う必要があります。
メダカにとって水は、
人間にとっての空気と同じ。
私たちが気圧や寒暖の差で
体調を崩してしまうことがあるように、
メダカも水温や水質の変化によって
体に負担がかかってしまい、
調子が悪くなることがあるのです。
そこで今回の記事では、
メダカ飼育における水合わせの重要性や
失敗しない水合わせのやり方について
詳しく解説していきたいと思います。
初めて水合わせに挑戦する方は、
しっかり手順を把握しておきましょう!
メダカの水合わせの必要性とは?
お魚飼育における「水合わせ」とは、
古い飼育水から新しい飼育水に移す時に行う
いわば”引っ越し準備”のようなものです。
私たち人間も、
引越しをして生活環境が変わると
体調を崩してしまうことがありますよね。
(筆者は北海道→東京に転居した際、
気温差でダウンしてしまいました。)
メダカも同じように、
水温や水質が急激に変化すると
体に大きな負担がかかってしまい、
時には命に係わるほどの
深刻な状態になることも・・・。
そこで、
「メダカが新しい環境に自然に馴染めるように
水温と水質を段階的に変化させていく」という
作業が必要になるわけです。
次のように水温・水質の変化が起こる時には、
必ず水合わせを行いましょう。
- 新しくメダカを迎え入れる時
- 水槽内の水を抜いて掃除を行った時
- メダカを別の水槽に入れ替える時
ちょっと面倒だと思うかもしれませんが、
この一手間がメダカたちの健康と寿命を
左右すると言っても過言ではありません。
メダカの水合わせを失敗するとどうなるの?
先ほどお話したように、
水温や水質が短時間のうちに変化すると
メダカの体には大きな負担がかかります。
メダカは丈夫な魚だと言われていますが、
環境の急激な変化にはあまり強くないのです。
では、水合わせをしなかったり
水合わせに失敗してしまった場合、
メダカにどんなことが起こるのでしょうか。
⒈PHショックを起こしてしまう
水合わせがうまくいかないと、
メダカは「PHショック」と呼ばれる
状態に陥ります。
この値が小さいと酸性、
大きいとアルカリ性となる。
日本の水道水は、中性に調整された状態で
各家庭に届けられていますが、
飼育期間が長い水槽は酸性に傾きやすく、
また水槽に入れている底砂や流木などでも
PH値は変わってきます。
そのため、新たな飼育水を用意した時には、
PHがこれまでの飼育水とは
大きく異なっていることがあるのです。
私たち人間が見れば
どちらもただの水にしか見えませんが、
メダカにとってはまったく別。
日本とブラジルくらいの違いがあると
考えていただいて良いでしょう。
この差が、メダカの体に
刺激を与えることになるわけです。
後ほど解説しますが、
ショック状態になったメダカは
苦しみで暴れているかのように
激しく泳ぎ回ります。
⒉最悪の場合、メダカが死んでしまう
私たち人間の世界でも、
冬になると「ヒートショック」の危険性が
ニュースなどでよく取り上げられますね。
ヒートショックとは、
急激な温度差によって
脳や心臓に大きな負担がかかり
体がショック状態になる症状のことで、
最悪の場合
突然死に至るケースもあります。
メダカもこれと同じように、
水温や水質が急激に変化すると
ショック状態から命を落とす
こともあるのです。
ショック症状は、
飼育環境が変わってから1週間以内に
発症することが多いと言われています。
水合わせ~1週間のうちは、
体調に異変がないかどうかを
注意深く観察するようにしましょう。
⇒メダカの水換えは不要or必要?水換えに知っておくべき3つの事
⇒メダカの水温を下げる方法!温度をうまく合わせる3コツ
PH値や水温差によるショックについては
こちらの記事でも触れていますので、
ぜひ併せてご覧ください。
メダカの水合わせを簡単にする方法をご紹介!
水合わせの必要性について
十分にご理解いただいたところで、
ここからは水合わせのやり方について
詳しく解説していきたいと思います。
難しい作業ではありませんので、
初めての方もご安心くださいね。
作業を行う前に、
まず必要なものを用意しておきましょう。
水合わせに使うもの
- カルキ抜きをした水
(新しい飼育水) - ビニール袋or小さめの容器
(メダカが入る大きさのもの) - 輪ゴムor洗濯バサミ
- お玉など水を掬えるもの
準備が整ったら、
先に水温から合わせていきます。
- 本水槽の中に
カルキ抜きした水を入れておく。 - ビニール袋または容器に
古い飼育水と一緒にメダカを入れる。
(ビニール袋の口は輪ゴムで閉じる。) - 2.を本水槽に30~1時間浮かべて
水温が同じくらいになるのを待つ。
新たなメダカを購入した際は
ビニール袋にメダカを入れてくれますから、
その袋ごと水槽に浮かべておけばOKです。
出典:http://www.oyama-medaka-center.com/index.html
こちらの画像のように、
洗濯バサミで袋や容器を
水槽の壁に固定するという方法もありますよ。
水温が同じくらいになったら、
続いては水質合わせです。
- 本水槽からお玉一杯分ほど水を掬い
メダカが入った袋または容器に入れて
10分くらい待つ。 - メダカの様子を確認しながら
「本水槽の水を入れる→10分待つ」を
3回以上繰り返す。 - メダカを本水槽に放す。
水合わせのコツは、とにかく焦らないこと!
本水槽の水を入れる際は、
必ず10分以上時間を空けましょう。
ゆっくり丁寧に行うことで
メダカが新しい飼育水に慣れ、
後々のトラブルが少なくなります。
メダカの水合わせ!「点滴」方法ってどんなやり方?
より慎重に水合わせを行いたい方は、
「点滴」と呼ばれる方法がおすすめです。
点滴を行うには、
以下のものが必要になります。
水合わせに使うもの【点滴編】
- エアチューブ
- 一方コック
(ホームセンターなどで購入可)
やり方としては、
まず先ほどご紹介した方法で
水温合わせを行います。
水温が同じくらいになったら、
本水槽の水をエアチューブを使って
メダカの容器の中に
一滴ずつ落としていきましょう。
水を落とす量は、
コックをひねって調節してください。
私たちが病院で受ける点滴と同じように、
「ポトン、ポトン・・・」と
ゆっくり落ちるくらいにすると安心です。
自分で水を足していくやり方よりも
時間はかかりますが、
ここまで慎重に行えば
メダカへのダメージは
最小限に抑えられるでしょう。
実際に行う際には、
こちらの動画を参考にすると
わかりやすいですよ!
メダカの水合わせにあると便利なアイテムはある?
「点滴」方式で水合わせを行う際には、
必要なものが一式セットになった商品を
購入すると便利です。
出典:https://www.shopping-charm.jp/
こちらは、
アクア用品を扱う『チャーム』が販売する
水合わせ・水抜き用のセット。
エアチューブとコックのほか、
チューブを水槽に固定する吸盤や
錘の代わりにも使えるエアストーン、
さらに5Lバケツもオマケでついてきます。
実際に購入された方からも、
「水合わせが簡単にできた!」との声が
多数寄せられていますよ。
バケツの質が微妙だという意見もありますが、
これだけ充実したセット内容で500円以下なら
かなりお買い得ではないでしょうか。
もしかしたら、
個別に1アイテムずつ揃えるよりも
安く済むかもしれませんね。
使っている方の満足度が高く、
リピーターの多いアイテムです。
メダカが水合わせの後に暴れるのはどうして?
水合わせを行った後、
メダカが暴れるような激しい動きで
泳ぎ回っていることがしばしばあります。
これこそまさに、
PH値や水温差によるショックに陥って
苦しんでいる状態です。
新しい環境が嬉しくて
ハイテンションになっているわけでは
決してありません。
「水合わせをしたのになぜ・・・?」と
思うかもしれませんが、
やり方が不適切だったり
かける時間が短すぎたりすると、
うまくいかないこともあるのです。
こうなってしまうと、
残念ながらどうすることもできません。
メダカ自身に体力があれば
症状を克服できるケースもあるようですが、
その見込みはかなり薄いでしょう。
仮に回復したとしても、
しばらくして死んでしまうことが多いです。
対策としては、
水合わせをとにかく焦らず行うこと。
特に初めての方は
数時間~半日くらいは費やすつもりで、
メダカの様子を確認しながら
ゆっくり慎重に取り組んでくださいね。
心配な方は、
水温計やPH測定器なども用意しておくと
より安心して行えるでしょう。
PH測定器は水換えの時や
メダカの様子が気になる時など
出番の多いアイテムなので、
持っていると重宝しますよ。
まとめ
今回の記事では、
水合わせの必要性や
おすすめのやり方などについて
解説してまいりました。
メダカを飼ううえで、
水合わせは非常に重要な
作業のひとつだということが
おわかりいただけたと思います。
時間もそれなりにかかりますし
面倒に感じられるかもしれませんが、
これを怠ったり
大雑把なやり方で済ませてしまうと、
せっかくお迎えした大切なメダカを
可哀想な目に遭わせてしまうことにも
なりかねません。
水合わせは時間をかけることが
何よりの成功の秘訣。
メダカが新しい環境で元気に暮らせるように
ゆっくり慎重に取り組みましょう!
⇒メダカの水槽の掃除の方法!初心者でも簡単にできる方法とは?
なお、水槽掃除を行う際には
こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。