アクアショップに行くと、
熱帯魚と並んで様々な種類のエビが
販売されているのを目にしますよね。
エビ類はアクアリウムに発生する
厄介なコケなどを食べてくれる
タンクメイトとして人気がありますが、
最近では独特の体色や模様をもつ
鑑賞性の高い種類も販売されるようになり、
エビ単体のアクアリウムを楽しむ方も
増えているといいます。
そこで今回の記事では、
アクアリウムで飼育できる
個性豊かなエビの中から、
淡水生と海水性それぞれの代表種を
計10種類ご紹介していきたいと思います。
エビの飼育をお考えの皆さんは、
ぜひ参考にしてみてください!
①ヤマトヌマエビ
出典:https://www.shopping-charm.jp/
それではまず、
淡水性のエビの代表種を5つ
ご紹介いたします。
ヤマトヌマエビは日本に生息する淡水エビで、
たいていのアクアショップで販売されている
ポピュラーな種類です。
ヌマエビ科の中では大型で、
成体の体長はオスが3.5cm、
メスが4.5cmほど。
メスのほうが少し大きく、
体つきもオスに比べてずんぐりしています。
水槽のコケ取り能力が高いことでも
知られており、
びっしりとコケが繁殖した水槽でも
ヤマトヌマエビを導入した後は
目に見えてコケが減少するのがわかるほど。
見た目がやや地味なこともあってか
鑑賞用というよりも水槽のお掃除要因として
導入されることのほうが多いですが、
水槽内を忙しそうに歩き回って
せっせとコケを食べるその姿には
なかなか愛嬌があります。
ただ、水槽内にコケがなくなると
水草を食べてしまうことがあるので、
導入の際には匹数に注意が必要です。
成体は基本的に丈夫で飼いやすく、
適切な環境で飼育すれば
3年以上生きてくれることも。
エビ飼育の初心者さんには
特におすすめの種類です。
- 体長:オス約3.5cm/メス約4.5cm
- 水温:20~27℃
- 水質;中性~弱アルカリ性
- 価格:100~150円前後
②ミナミヌマエビ
出典:https://www.shopping-charm.jp/
ミナミヌマエビは
関西以南に生息する淡水エビで、
台湾や中国などにも分布します。
一見ヤマトヌマエビとよく似ていますが、
ミナミヌマエビのほうが小柄で
成体でも2~3cmほど。
丈夫で生息可能な水温域も幅広いので
小型の水槽やボトルアクアリウムでも
飼育することが可能です。
最近では品種改良によって
鮮やかな体色をもつものも登場しており、
多彩なカラーバリエーションも楽しめます。
ヤマトヌマエビと同様に
水槽内のコケをよく食べてくれますが、
体が小さいぶんコケ取り能力はやや低め。
コケ対策として導入する場合は
数を多めに入れることをおすすめします。
比較的容易に繁殖するので、
自分で殖やしてみるのも良いかもしれません。
ただし、大きな熱帯魚と混泳させると
餌にされてしまう恐れがあるので、
混泳させる魚のサイズには注意が必要です。
- 体長:約3cm
- 水温:10~28℃
- 水質;弱酸性~弱アルカリ性
- 価格:100円前後
(カラーにより異なる)
③レッドチェリーシュリンプ
出典:https://www.shopping-charm.jp/
レッドチェリーシュリンプは、
その名のとおり鮮やかな赤色の体色が魅力。
水草水槽で飼育すると、
赤と緑の美しいコントラストを
楽しむことができます。
体色の濃淡には個体差が見られますが、
これは周囲の環境に合わせて体色を変える
「擬態」と呼ばれる性質によるもので、
明るい環境で飼育すると淡色に、
逆に暗い環境で飼育すると
より濃い赤色になるようです。
鮮やかな発色を楽しみたい方は、
黒っぽい色の底砂を敷いたり
流木や水草などを多めに入れてあげると
良いかもしれませんね。
なお、レッドチェリーシュリンプは
先ほどご紹介したミナミヌマエビの
近縁種であると言われており、
体の丈夫さや繁殖力の旺盛さなども
よく似ていますが、
ミナミヌマエビに比べると
低水温に弱い傾向があります。
- 体長:約3cm
- 水温:15~27℃
- 水質;弱酸性~中性
- 価格:150円前後
(カラーにより異なる)
④ビーシュリンプ
出典:https://www.shopping-charm.jp/
その名のとおり蜂のお尻のような
ツートンカラーが特徴のビーシュリンプ。
代表種として知られる
レッドビーシュリンプは、
今からおよそ20年ほど前に
日本のアクアリストが突然変異個体を改良して
固定させたのがはじまりなのだとか。
その後も多くのブリーダーによって
品種改良が盛んに行われ、
現在では体色や模様の入り方によって
グレード分けがなされるようになっています。
複雑な模様が入った珍しい個体には
数万円もの高値がつくこともあるそうですよ。
こうした鑑賞性の高さから、
ビーシュリンプはコケ取り目的で
飼育されることはほとんどありません。
また、他の淡水エビに比べて
水質にデリケートなところがあるので、
飼育難易度としてはやや高め。
飼育はビーシュリンプ専用に整えた環境での
単独飼育が望ましいとされています。
- 体長:約3cm
- 水温:20~25℃
- 水質;弱酸性~中性
- 価格:300円前後
(グレードにより異なる)
⑤ホワイトグローブシュリンプ
出典:https://item.rakuten.co.jp/
その名のとおり
白い手袋をはめているかのような
ユニークな色彩が印象的な
ホワイトグローブシュリンプ。
インドネシア・スラウェシ島の
湖のみに生息する固有種で、
鑑賞用として輸入されるようになったのは
ごく最近のことなのだとか。
体長は約2cmと小柄ですが、
まるで海水エビのように鮮やかな体色で
水槽内でも一際目を引く存在となるに
違いありませんね。
しかし、ホワイトグローブシュリンプは
適切な水質を維持するのが非常に難しいため、
初心者さんがいきなり飼育すると
失敗してしまう可能性が高いです。
ヤマトヌマエビなどの飼いやすい種類で
飼育経験を積んでから
挑戦してみると良いでしょう。
- 体長:約2cm
- 水温:25℃前後
(硬度の高い水が望ましい) - 水質;中性~弱アルカリ性
- 価格:700円前後
⑥アカシマシラヒゲエビ
出典:https://www.shopping-charm.jp/
さて、ここからは
海水性のエビをご紹介してまいりましょう。
まず、海水エビの中でも特に人気が高いのが
このアカシマシラヒゲエビです。
背中に縦縞模様があることから、
別名スカンクシュリンプとも呼ばれています。
魚の体に付着した寄生虫や
水槽内の汚れを食べてくれる
クリーナーシュリンプとしても知られており、
海水魚と一緒に飼育していると
魚の体をせっせと手入れする姿が
見られることも。
そのため、どんなに気の強い種類の魚も
アカシマシラヒゲエビを攻撃することは
ほとんどありません。
むしろ自らアカシマシラヒゲエビの元に近寄り
「手入れしてくれ」と言わんばかりに
じっとしていたりします(笑)
(ただし、一部のゴンベやベラなど
甲殻類を好んで食べる魚との混泳には
注意が必要です。)
海水エビの中では買いやすい種類ですが、
水質の変化にやや弱い面があるので、
導入時の水合わせは慎重に行いましょう。
ちなみに、
映画『ファインディング・ニモ』の
ジャックのモデルになったのは、
このアカシマシラヒゲエビなのだそう。
お子さんに教えてあげたら
喜んでもらえそうですね!
- 体長:約7cm
- 水温:18~25℃
- 価格:2,000円前後
⑦ホワイトソックス
出典:https://www.shopping-charm.jp/
ホワイトソックスシュリンプは
太平洋~インド洋にかけての
温暖な水域に生息する海水性のエビです。
その名のとおり
白い靴下を履いているような
ユニークな体色が特徴で、
先ほどご紹介した淡水エビの
ホワイトグローブシュリンプと
よく似た外見をしています。
穏やかな性格で縄張り意識も強くないため、
甲殻類を好んで食べる種類以外であれば
多くの海水魚との混泳が可能です。
ただ、脱皮の際に魚につつかれたりすると
脱皮不全で死んでしまうことがあるので
ライブロックなどを組んで
隠れ家を作ってあげましょう。
また、アカシマシラヒゲエビと同様に
クリーナーとしての役割を担いますが、
能力的にはやや劣ります。
基本的に丈夫で飼育しやすい種類ですが、
他の海水エビ同様に水質の変化に敏感なので
導入時の水合わせはしっかり行ってください。
- 体長:約8cm
- 水温:20~25℃
- 価格:2,000円前後
⑧キャメルシュリンプ
出典:https://www.shopping-charm.jp/
赤と白の複雑な縞模様と大きな目が特徴的な
キャメルシュリンプ。
背中に”コブ”があることから、
キャメル(ラクダ)の名が
付けられたのだとか。
海水エビの中でも生命力が強い種類で、
導入時の水合わせさえうまくいけば
水質・水温の多少の変化には耐えてくれるので
初心者さんにもおすすめの種類です。
性格も穏やかで
海水魚との混泳にも向いていますが、
体長6cmとやや小柄なので
大型魚や攻撃性の強い魚を
混泳相手にするのは避けましょう。
特徴的なカラーリングを存分に楽しむなら
単体飼育もおすすめです。
- 体長:約6cm
- 水温:20~28℃
- 価格:800円前後
⑨オトヒメエビ
出典:https://www.shopping-charm.jp/
鮮やかな体色と長い触覚が
まるで竜宮城の乙姫様を思わせることから
その名が付けられたというオトヒメエビ。
赤白のノーマルタイプのほか、
胸の部分が黄色いキイロオトヒメエビや
頭部~脚が青色のアオムネオトヒメエビなど
ユニークなカラーリングのものも存在します。
オスメスの結びつきが強いのが特徴で、
ペアで飼育していると寄り添って行動する
仲睦まじい姿が見られるでしょう。
しかし特定の相手以外の同種とは
激しく争う性質があるので、
ペア以外の複数飼育は避けたほうが無難です。
海水魚との混泳は不可能ではありませんが、
その大きなハサミで小型魚を攻撃したり
時には捕食してしまうことも。
特にハゼの仲間など
動きのゆっくりとした魚が
ターゲットにされやすいそうです。
このように名前からは想像もつかないほど
気の強いところのあるエビなので、
持て余してしまう人も少なくないのだとか。
とても美しく魅力的な種類ではありますが、
購入はよく検討してからにしましょう。
- 体長:約5cm
- 水温:24℃前後
- 価格:1,000円前後
⑩フリソデエビ
出典:https://www.shopping-charm.jp/
その名のとおり振袖を纏っているかのような
華やかな見た目で人気のフリソデエビ。
太平洋~インド洋にかけて広く生息し、
地域によって体色差が見られます。
このフリソデエビの最大の特徴は、
「ヒトデ」を好んで食べること。
・・・というより
ほぼヒトデしか食べないそうです(笑)
したがって、
フリソデエビを飼育する際には
餌として与えるためのヒトデを
同時に飼育しなければなりません。
コブヒトデやクモヒトデなど
安価で購入できるヒトデで十分ですが、
それでも他のエビに比べると
どうしてもコストがかかってしまいます。
ただ、体はきわめて丈夫な種類ですから、
餌の問題さえクリアすることができれば
初心者さんでも容易に飼育できるでしょう。
オトヒメエビと同様に
オスメスの仲がとても良いので
ペア飼いするのがおすすめです。
- 体長:約6cm
- 水温:20~25℃
- 価格:2,000円前後
まとめ
今回の記事では、
アクアリウムで飼育できる
淡水性のエビと海水性のエビを
計10種類ご紹介してまいりました。
アクアリウムにおけるエビの歴史は
実はまだまだ浅く、
本格的に飼育されるようになったのは
90年代に入ってからなのだとか。
しかし最近では専門業者だけでなく
個人ブリーダーによる品種改良も
盛んに行われており、
この先もユニークなエビが
登場する可能性は大いにありそうです。
小さいながらも、
存在感たっぷりのエビたち。
皆さんもぜひお気に入りの種類を見つけて
飼育に挑戦してみてはいかがでしょうか。
⇒アクアリウムのエビ!初心者でもできる飼育の方法まとめ【完全版】
こちらの記事では、
エビ飼育の初心者さんのために
基本的な飼い方を解説しています。
ぜひ併せてご覧ください!