水槽のガラス面や水草、
レイアウトの流木など
アクアリウムのあちこちに発生する
厄介な「コケ」・・・。
皆さんはどのようにして対処していますか?
「いくら取り除いても
次から次へと生えて困っている」
なんて方もいらっしゃるかもしれませんね。
実はアクアリウムに発生するコケには
いくつかの種類があり、
効果的な対処の仕方もそれぞれ異なります。
そこで今回の記事では、
アクアリウムに発生するコケの
種類ごとの形の特徴や
効果的な対処方法をまとめてみました。
コケにお悩みの皆さんは
ぜひ参考にしてみてください!
①珪藻
出典:http://studioaquarium.seesaa.net/
水槽を立ち上げた直後など
水質が安定しない時期に発生しやすい
茶色っぽいコケです。
主に水槽のガラス面や水草の葉の表面に
平たくベッタリのるようにして付着し、
手で触るとヌメッとした感触があります。
珪藻が発生する原因は?
珪藻は水道水に含まれる「ケイ酸塩」を
養分にして増えると言われています。
水槽を新たに立ち上げる時には
真新しい水道水を入れますよね。
そのため、立ち上げ初期の水槽には
多くのケイ酸塩が含まれているのです。
このケイ酸塩を
珪藻が吸収し尽くしてしまえば、
発生は自然と収まっていきます。
珪藻の対処方法は?
「コケ対策には水換えが効果的」という話を
耳にしたことがある方も多いと思いますが、
珪藻に関してはむしろ逆効果。
珪藻の発生原因は
水道水に含まれるケイ酸塩ですから、
水換えは珪藻の養分を補給することに
なってしまうのです。
珪藻はやわらかく付着力も弱いので、
手で擦っただけでも簡単に除去できます。
水槽のガラス面に付着したものは
スクレーパーやスポンジなどで擦れば
すぐにきれいになります。
水草やレイアウト物に発生したものは
人の手では取りにくいので、
コケ取り生体に食べてもらうと良いでしょう。
ヤマトヌマエビなどのエビ類のほか、
オトシンクルスも好んで食べるようです。
②斑点状コケ
主に水槽のガラス面に
ポツポツと点状に発生する緑色のコケです。
発生直後は2~3mmの小さな点ですが
放っておくとガラス面を覆うように
どんどん広がっていきます。
斑点状コケが発生する原因は?
斑点状コケが発生する原因は
「光量過多」と「水の富栄養化」だと
言われています。
特に水槽に直射日光が当たっていると
発生しやすい傾向があるようです。
また、斑点状コケは
生体の糞や餌の食べ残しなど
水槽内の有機物を養分にして増えるので、
水換えの頻度が少なかったり
生体の飼育数が多いと
どんどん繁殖していきます。
斑点状コケの対処方法は?
斑点状コケは発生から時間が経つと
次第に付着力が強くなるため、
定期的にスポンジなどで擦って
取り除くようにしましょう。
水換えのタイミングで
同時に掃除してしまうと良いですね。
ある程度強い照明を必要とする
水草水槽などでは
どうしても発生しやすいコケですが、
あまりにも酷い場合は
飼育している生体の数や水換えの頻度の
見直しが必要かもしれません。
③糸状コケ(アオミドロ)
出典:http://futagox.hatenablog.com/
水草水槽やビオトープでよく目にする
もっさりとした緑色のコケです。
よく見ると1本1本の細い糸状になっており、
まるで”とろろ昆布”のように見えることから
とろろ状コケなどとも呼ばれます。
コケの中でも繁殖スピードが速く、
酷くなると絡み合った糸に生体が紛れ込んで
動けなくなることもあるようです。
糸状コケ(アオミドロ)が発生する原因は?
糸状コケが発生する主な原因は
「飼育水の富栄養化」です。
富栄養化とは先ほど触れたように
水槽内に生体の糞や餌の残骸などの
有機物が多い状態を指します。
富栄養化する原因としては、
以下のようなことが考えられます。
- 餌の与え過ぎ
- 水換え頻度が少ない
- 生体の飼育数が多すぎる
- ろ過機能が十分でない など
また、新たに購入した水草にも
付着していることがあるので、
導入時には注意が必要です。
糸状コケ(アオミドロ)の対処方法は?
糸状コケはピンセットなどを使って
絡め取るようにすれば除去できますが、
再び発生させないようにするには
主な発生原因となっている
富栄養化を解消する必要があります。
先ほど挙げた富栄養化の原因の中に
思い当たることがないか
見直してみましょう。
また、ヤマトヌマエビなどのエビ類や
サイアミーズ・フライングフォックス、
ブラックモーリーなどの魚は
糸状コケをよく食べてくれます。
富栄養化をしっかり解消したうえで
これらのコケ取り生体を投入すれば、
かなりの効果が実感できるでしょう。
④黒ヒゲ状コケ
出典:http://aquacorylife.blog.fc2.com/
その名のとおり
黒いヒゲのような見た目をした
細かい糸状のコケです。
給排水パイプや水草の葉など
水流が強く当たる場所を好んで
発生する傾向があります。
見た目が悪いうえに
他のコケよりも付着力が強く
除去するのがとても難しい
厄介なコケの一つです。
黒ヒゲ状コケが発生する原因は?
黒ヒゲ状コケは
水中に含まれる「リン酸」を
養分にして増えていきます。
リン酸は生体の排泄物や餌の食べ残し、
枯れた水草などの有機物から発生します。
リン酸の溶解濃度は
フィルターのろ過機能や
定期的な水換えによって
下げることが可能ですが、
黒ヒゲ状コケは他のコケに比べて
少ない養分でも十分生育できるので、
しっかり管理している水槽でも
発生してしまうことがあります。
黒ヒゲ状コケの対処方法は?
黒ヒゲ状コケの原因となるリン酸は
フィルターや底砂に多く溜まりやすいので、
まずはこれらの掃除を行います。
掃除後のフィルターには、
リン酸を吸着除去する効果がある
ろ材を組み込むのもおすすめです。
出典:https://www.shopping-charm.jp/
また、黒ヒゲ状コケを食べる生体として
サイアミーズ・フライングフォックスが
知られています。
ただし、発生から時間の経ったものは
あまり食べないようなので、
導入は予防策として考えたほうが
良いかもしれません。
⑤藍藻
出典:http://willowmoss.gldplants.com/index.html
底砂や水草を覆うようにして発生する
ドロっとした膜状のコケです。
正確にはコケではなく
シアノバクテリアという細菌の一種で、
発生すると美観が損なわれるだけでなく
強いアンモニア臭を発するのも特徴です。
他のコケと判別がつきにくい場合は
採取して臭いを嗅いでみれば
すぐにわかるでしょう。
藍藻が発生する原因は?
藍藻も黒ヒゲ状コケと同じように
水槽内の「リン酸」の溶解濃度が高いと
発生しやすくなります。
また、新たに購入した水草や、
流木や石などのレイアウト物に
わずかに付着していたものが
水槽内で繁殖することもあるようです。
藍藻の対処方法は?
藍藻は他のコケに比べて付着力が弱いので
排水ホースなどで簡単に吸い出せますが、
繁殖力が非常に強いため
一度取り除いてもまたすぐに発生する
可能性があります。
藍藻を食べることで知られる
ブラックモーリーを入れておくと
ある程度繁殖を防いでくれますが、
それでもダメだという場合には
薬品による駆除を検討したほうが
良いかもしれません。
藍藻用の抑制剤としては
こちらの「エクスタミン」が有名ですね。
出典:https://www.shopping-charm.jp/
飼育水に直接添加するタイプですが、
生体に悪影響はないそうです。
まとめ
今回の記事では、
アクアリウムに発生するコケの
種類ごとの特徴や対処方法を
解説してまいりました。
アクアリウムに発生するコケは
大きく分けて5種類あり、
発生する原因も対処の仕方も
それぞれ異なります。
誤った方法で対処しようとすると
ますます状況が悪化することもあるので、
コケが発生した際にはまず
どの種類に属するものなのかを
正しく判別することが重要です。
適切な対処を行い、
コケのないきれいなアクアリウムを
目指していきましょう!
⇒アクアリウムのコケの対策!掃除や除去の方法&原因を解説
コケ対策については
こちらの記事でもご紹介していますので、
ぜひ併せてご覧ください。