クジラの種類は世界中で
約85種類前後いると言われています。
大きさも小さなものから大きなものまで、
色や形も当然それぞれ違いがあります。
クジラと言えば大きな動物の
イメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
実際、大きなクジラには
どんな種類がいるのでしょう。
今回はそんな大きなクジラを図鑑形式に
一覧にまとめてみました。
珍しい種類も紹介していますので、
ぜひ読んでみて下さいね。
①ザトウクジラ
ザトウクジラはヒゲクジラの一種です。
全長13~14m、体重30tになり、
大型鯨類の中では唯一胸びれが長くなり、
体の1/3が頭部なのが特徴です。
1年の中で、繁殖場と餌場の2つの離れた海域を
周期的に移動して生活をしています。
冬場は低緯度の比較的暖かい海域で、
交尾、出産、子育てなどの繁殖活動をし、
夏場は高緯度の餌が豊富な冷たい海域で
餌を食べて生活をしています。
日本では冬場に小笠原諸島や
奄美、沖縄近海に回遊してくるため、
各地でホエールウォッチングの
対象となっています。
②シャチ
シャチはマイルカ科の中で最大になる種類で、
オスで平均8m、メスで平均7mになります。
世界中の海に生息し、比較的冷たい海域で
よく見られますが、熱帯地方にも出現します。
集団によって少しずつ餌の偏りがありますが、
魚や頭足類、アザラシ、トド、ペンギン、
小型のイルカやクジラまで食べてしまいます。
自分たちより大きなクジラを群れで襲って
食べることも有り、英名では、
「キラーホエール」と呼ばれています。
そのため、海の生態系の頂点にたち、
「海の王者」などの別名で
呼ばれることもあります。
③セミクジラ
セミクジラはヒゲクジラの一種で、
最大で18m、体重70tにもなる種類です。
一般的にメスの方が大きくなり、
オスは1mほど小さくなります。
クジラヒゲが非常に大きく、
最大で2mを超えることがあります。
温帯から亜寒帯の海域に生息していますが、
セミクジラの研究の歴史は浅く、
はっきりとした回遊経路などは分っていません。
日本では三陸沖から土佐湾までの
太平洋側での目撃情報が多く、
日本海側では非常に少ないです。
その他の生態に関しても、
生息数、目撃数の少なさから
未開な部分が多いクジラです。
➃イワシクジラ
イワシクジラは最大で18m、体重18tになる
ナガスクジラ科のクジラです。
亜熱帯から亜寒帯の海に生息し、
インド洋、太平洋、大西洋など
広い範囲に生息しています。
小型の甲殻類や小魚を主食とし、
群れている獲物を、口を大きく開けて
海水ごと取り込み、ヒゲで獲物だけを
濾し取って食べています。
特にイワシを好み、イワシの群れと共に回遊し、
イワシクジラの近くにはイ
ワシの群れがいることから
「イワシクジラ」と名付けられたと
言われています。
かつては捕鯨の対象となり、
世界中で捕獲されていましたが、
現在は日本とアイスランドに
よって捕獲されてます。
美味なクジラとして知られ、
イワシクジラの鯨肉は
日本では古くから人気があります。
⑤コククジラ
コククジラは最大で15m、
体重30tになるクジラで、
黒い体色ですが、全身に
フジツボやエボシガイなどの
寄生生物を付着させていることから、
まだら模様に見えることが多いです。
かつては北半球全域に生息していましたが、
乱獲の影響により、現在では、北太平洋と
東太平洋の個体群のみとされています。
最も長い距離を回遊する動物の1つで、
北太平洋の個体群は、夏場のアラスカ海域、
冬場のメキシコ海域まで往復約2万キロを
回遊する個体がいることも分っています。
他のヒゲクジラがプランクトンをヒゲで
濾し取って食べるのに対し、コククジラは
海底の泥や砂ごと口に入れ、底生の
甲殻類などを濾し取って食べています。
一時は絶滅の危機に瀕していましたが、
保護の結果、生息数が増加しています。
⑥シロナガスクジラ
シロナガスクジラは最大で34m、
体重190tと、クジラの中で
最も大きくなるだけでなく、
地球上の動物の中でも最も大きくなります。
熱帯から寒帯にかけての外洋域に生息します。
冬場は熱帯から亜熱帯において繁殖活動をし、
夏場になるとオキアミが豊富な
北極海や南極海の積氷間際まで回遊します。
かつては日本でも捕獲されたことがありますが、
近年ではほぼみられません。
2018年8月に神奈川県で
シロナガスクジラの子供が
日本で初めて打ち上げられて話題となりました。
⑦マッコウクジラ
マッコウクジラはハクジラ類の中で最大になり、
歯のある生き物としても世界最大の生き物です。
オスとメスの差が激しく、
オスは最大18m、体重50tになりますが、
メスは13m、体重25tと
体重は半分しかありません。
肥大化下頭部が特徴で、
脳は全ての生き物の中で
最大、最重量であると考えられています。
北極から南極まで世界規模に分布し、
日本では小笠原諸島に定住し、知床半島でも
しばし目撃されています。
深海への潜航へ適した体に特殊な進化をし、
生涯の2/3を深海で過ごすと言われます。
3,000mを潜ったという記録も有り、
ダイオウイカを始め、深海に生息する
生き物を補食しています。
⑧シロイルカ(シロクジラ)
名前の通り、白い体をしたイルカです。
名前にイルカと付いていますが、
5mを超えることから、クジラの仲間とされ、
シロクジラと呼ばれることもあります。
冷たい海域を好み、北極海、ベーリング海
オホーツク海、クック湾、セントローレンス湾
などに生息しています。
魚類、甲殻類、貝類などを餌とし、
50~100種以上の食物を
食べていると考えられています。
前頭部にある「メロン」と呼ばれる脂肪組織が
他のハクジラ類より丸くて軟らかく、
自分の意思で形状を変えることができるとされています。
これは北極圏の氷の海に
適応した結果と考えられ、メロンを
振るわせ様々な鳴き声を出せることから、
「海のカナリア」とも呼ばれています。
⑨オキゴンドウ
オキゴンドウは全長6m、
体重1.5tと小型のクジラで、
全身が黒もしくは濃い灰色をしています。
沖合を好むゴンドウクジラという事で
オキゴンドウと名付けられ、
温帯から熱帯にかけ幅広く分布します。
別名「シャチモドキ」とも呼ばれ、
シャチのようにイルカや小型のクジラを
襲って食べてしまう事もあります。
また、延縄にかかったマグロを
食べてしまう事から、漁師から嫌われ、
駆除されていた時期もありました。
ヒトに懐きやすく、小型のため、
水族館でも飼育され、イルカショーを
行っているところもあります。
⑩アカボウクジラ
アカボウクジラは最大で7m、
体重3tになる中型のハクジラの仲間です。
太平洋、大西洋、インド洋と幅広く分布し、
暖かい海域でも、冷たい海域でも大丈夫です。
また、水深のある遠洋を好み、
日本では駿河湾が適した環境です。
クジラの中では最も深く潜水することが出来る
種類の1種で、研究データによると
2,992mの深さまで潜り、
約138分も潜水した記録がります。
深い海に生息する魚類や頭足類、
甲殻類などを食べます。
雑音に対して非常に敏感な種類で、
地中海などの騒音の多い海域では
頻繁に海岸に座礁しているのが
記録されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここで紹介したクジラは、
ほんの一部ですが、どれも大きくて
特色のあるクジラです。
最近では、各地でホエールウォッチングが
盛んになってきています。
時折、珍しい種類に
遭遇出来る事もありますので、
チャンスがあればぜひ
参加してみてはいかがでしょうか?
こちらの記事ではクジラの打ち上げと
地震との因果関係についてご紹介しています。
こちらの記事では、シロナガスクジラと
様々な生き物との大きさの比較について
ご紹介しています。
どちらもぜひ読んでみて下さい。