グッピーの飼育に慣れてくると、
次は他の熱帯魚やエビなどとの混泳にも
チャレンジしてみたくなりますよね。
カラフルな彼らと一緒に泳ぐ仲間がいれば、
水槽内がより一層華やかになることでしょう。
温和な性格のグッピーは
他の魚を攻撃するようなことがほとんどなく、
基本的には混泳向きの魚といえます。
ただ、熱帯魚の中には
グッピーをいじめてしまうような
気性の荒い種類もいるので、
相手選びには注意が必要です。
そこで今回の記事では、
グッピーとの混泳におすすめの生き物を
一覧でご紹介したいと思います。
逆にグッピーと混泳できない魚や
混泳時の注意点などについても
解説していますので、
初めて混泳に挑戦する皆さんは
ぜひ参考にしてみてください!
グッピーと混泳可能な生き物!おすすめ6選
基本的に、グッピーの混泳相手には
次のような性質を持つ生き物が
適しています。
- グッピーと体格に差がない
- 性格が温和でおとなしい
- 好む水温や水質がグッピーと似ている
- 水槽内での生活層がグッピーと異なる
では、具体的にはどのような
生き物がいるでしょうか。
今回は特におすすめの種類として、
初心者さんでも飼育しやすい6種類を
選んでみました。
1.メダカ
南米が原産のグッピーに対して、
メダカはもともと日本に生息する魚。
同じ水槽で飼育するのは
無理があるように思えますが、
グッピーもメダカの仲間であり
体の大きさも同じくらいなので、
混泳させても問題はありません。
ただし熱帯魚であるグッピーは
メダカほど低水温に強くないため、
水温は両者が快適に暮らせる25℃前後を
保つようにしましょう。
特に水温の下がる冬場には、
ヒーターの設置が必須になります。
餌は同じものを与えて構いませんが、
グッピーがメダカの分まで
餌を食べてしまうことがあるため、
メダカの栄養不足に注意してください。
どうもグッピーばかりが
餌を食べてしまう・・・という場合は、
浮上性タイプと沈下性タイプの
2種類の餌を用意すると良いでしょう。
2.ネオンテトラ/カージナルテトラ
メタリックブルーのボディに
赤のラインが美しいネオンテトラは、
グッピーと並ぶ高い知名度と人気を誇る
小型熱帯魚の代表的存在です。
彼らはおとなしい性格で、
好む水温や水質もグッピーと似ているので
同じ水槽で飼育することができます。
ネオンテトラの近縁種である
カージナルテトラでも問題ありません。
実際に混泳させた水槽の様子は、
以下の動画をチェックしてみてください。
グッピーもネオンテトラも体色が派手なので、
一緒に泳がせるとすごく華やかですね。
グッピーは主に水面付近、
ネオンテトラは水底付近で生活するため、
お互いの行動を邪魔することもありません。
なお、ネオンテトラやカージナルテトラは
群れを作って泳ぐ習性があるので、
グッピーよりも数を多くしてあげると
混泳のストレスを軽減できますよ。
3.コリドラス
コリドラスは南米大陸に広く生息する
ナマズの一種です。
アクアリウム界では、
他の魚が食べ残した餌を食べることから
”水槽のお掃除屋さん”とも呼ばれていますね。
底床を這うようにして動く彼らは
グッピーとは生活層がまったく異なるうえに、
性格も非常に温和で
他魚に危害を加えることはほぼないので、
混泳相手としての相性は抜群です。
また、コリドラスは
グッピーの残した餌を食べてくれるため、
水槽内をきれいに保ってくれます。
とはいえ、食べ残しの餌だけでは
栄養不足になることが多いので、
コリドラス用の沈下性タイプの餌も
用意してあげてくださいね。
4.オトシンクルス
オトシンクルスもコリドラスと同じように
底床付近を生活層とする魚で
性格も非常におとなしいため、
グッピーの混泳相手には最適です。
また、オトシンクルスは、
水槽内に繁茂したコケ(藻)を
食べてくれる魚としても知られています。
見た目はグッピーに比べると地味ですが、
吸盤のような口で水槽の壁面に吸い付き
コケをモグモグやっている姿は
何とも愛らしいものです。
ただ、水槽内のコケを食べ尽くすと
餓死してしまう恐れがあるため、
コケに代わる餌を与えてやる必要があります。
人工飼料の食い付きが良くない場合は、
ほうれん草などの茹で野菜を与えると
喜んで食べてくれますよ。
5.エビ類
エビ類も底床付近を生活層とするので、
グッピーと同じ水槽で飼育しても
お互いにストレスを感じることなく
暮らすことができるでしょう。
ヤマトヌマエビやミナミヌマエビは
水槽内のコケ取り要員としての活躍も
期待できますね。
ただし、食べられるコケがなくなると
グッピーをつつくことがあるので、
混泳させる場合はエビ用の餌も
用意しておくと安心です。
また、ミナミヌマエビやビーシュリンプは
グッピーと同じ水槽で繁殖が可能ですが、
産まれたばかりの小さな稚エビは
グッピーの格好の餌となってしまうため、
ある程度の大きさに育つまでは
隔離して育ててあげましょう。
6.貝類
イシマキガイなどの貝類とグッピーは
お互いに干渉し合うことがないので、
混泳自体はまったく問題ありません。
見た目は地味な貝類ですが、
水槽内をノソノソと移動する様子は
意外と愛嬌があって可愛らしく、
またガラス面に付着したコケを
きれいにしてくれるので、
コケ取りの手間を減らしたい方には
おすすめです。
ただし貝類は繁殖力が非常に強く
あっという間に増えてしまうので、
導入の際は匹数を少なめにしておきましょう。
グッピーと混泳できない生き物は?
一方、以下のような性質を持つ生き物は
グッピーと混泳させることができません。
- グッピーとの体格差が大きい
- 交雑する可能性がある
- 適する水温や水質が異なる
- 気性が荒く、
グッピ―を攻撃する恐れがある
では、こちらも具体的に
どのような生き物がいるか見ていきましょう。
1.プラティ
コロンとした丸いフォルムが
何とも愛らしいプラティ。
グッピーと同じ卵胎生メダカの仲間で
好む水温や水質も似通っているので、
混泳させても問題ないように
思う方も多いでしょう。
しかし、卵胎生メダカの仲間は
同種間で縄張り争いをすることがあるため、
混泳相手としての相性は
実はあまり良いとは言えません。
また、卵胎生メダカは、
近縁種同士で交配するケースも
確認されているそうです。
つまり、グッピーとプラティを混泳させると
何だかよくわからない品種の魚が
誕生する可能性がある、ということですね。
すべての卵胎生メダカ同士が
交雑するというわけではありませんが、
特別な理由がない限りは
混泳は避けておいたほうが無難でしょう。
2.エンゼルフィッシュ
アクアリウムの代表的存在ともいえる
グッピーとエンゼルフィッシュ。
この2種を同時に飼育すれば
豪華な水槽になるに違いありませんが、
混泳させるのはやめておきましょう。
なぜならエンゼルフィッシュは
気性が荒いことで知られる
シクリッドの仲間で、
自分の縄張りを強く主張するあまり
他魚を攻撃してしまうことがあるからです。
また、エンゼルフィッシュは肉食性が強く、
グッピーのような小型魚を混泳させると
餌として認識される恐れがあります。
3.オスカー
とても頭が良く、
人間に懐くことでも知られるオスカー。
一見のんびりとした表情をしていて
どんな魚とも仲良くやれそうに思いますが、
実は彼らもエンゼルフィッシュと同じ
シクリッドの仲間なので気性が荒く、
成長とともに縄張り意識を
強く持つようになるため、
基本的には単独飼育が望ましい魚です。
また、ショップで販売されているオスカーは
小さな幼魚であることも多いですが、
成長すると30cm近くまで大きくなります。
大食漢で肉食傾向も強く、
グッピーのような小型魚が同じ水槽にいれば
彼らは一瞬にして食べてしまいますので、
混泳させるのは不可能です。
4.ウーパールーパー
顔つきも動作もおっとりとしている
ウーパールーパーですが、
彼らは基本的に肉食性で
目の前で動くものを捕食する習性があるため、
グッピーのような小型魚は
確実に食べられてしまうでしょう。
また、ウーパールーパーとグッピーとでは
飼育に適した水温にかなりの差があり、
ウーパールーパーは15~20℃前後、
グッピーは23~26℃前後です。
どちらか一方に合わせて水温を調整すると
もう一方が体調を崩してしまいかねないため、
やはり混泳には向きません。
グッピーの混泳で病気が感染することがあるって本当?
現在流通しているグッピーには、
日本国内でブリードされた国産の個体と
東南アジアなどの海外から輸入された
外国産の個体がいます。
どちらもグッピーであることには
変わりないのですが、
混泳を考えるのであれば
外国産グッピーはおすすめできません。
なぜなら、外国産グッピーは
輸送時のストレスによって
体が弱っていることが多く、
国産グッピーに比べて
感染症などの病気を発症する・
あるいは既に発症している可能性が高い
傾向があるためです。
これを知らずに混泳させてしまうと
水槽内に病気が蔓延してしまい、
壊滅的な事態にもなりかねません。
もし混泳させることを考えて
新たにグッピーを導入する場合は、
病気のリスクが少ない
国産の個体を選ぶのがもっとも安全ですが、
外国産を選ぶのであれば
以下のポイントを参考に
お店でグッピーの状態をよく見て、
病気の個体の購入をできる限り避けましょう。
- 同じ水槽内に死んでいる個体や
体調を崩している個体がいないか - 日本に来てから2週間以上が
経過しているか
外国産グッピーは、
日本に輸入されてからの最初の1週間が
もっとも病気を発症しやすい期間だと
言われていますので、
お店に入荷して2週間以上経過していれば
健康な個体である可能性が高いです。
ただし、それでも100%安全とは
言い切れませんので、
購入後は1週間ほど薬浴(または塩浴)で
様子を見ましょう。
そして、混泳する魚を1匹だけ入れてみて
特に問題がないようであれば、
できる限り慎重に水合わせを行ったうえで
本水槽に導入します。
⇒グッピーの病気!尾びれやお腹が膨らむなどの症状について解説
なお、グッピーの病気については
こちらの記事で詳しく解説していますので、
ぜひ併せてご覧ください。
グッピーは混泳しても繁殖できるの?
グッピーの繁殖力は非常に強いので、
健康なオスとメスのペアさえいれば
混泳水槽でも繁殖は可能です。
ただ、混泳相手によっては
グッピーの稚魚を捕食することがあるので、
確実に繁殖させたい場合は
稚魚はある程度の大きさになるまで
別の水槽に隔離して育てると良いでしょう。
グッピーは一回の出産で
30~50匹もの稚魚を産むため、
稚魚を1匹ずつ掬って別水槽に移すよりも
メスを別水槽で出産させるほうが簡単です。
隔離する期間は1ヶ月~1ヶ月半程度を
目安にすると良いでしょう。
体長1.5~2cmくらいまで成長すれば、
食べられる心配はほぼありません。
なお、初めて繁殖に挑戦する方は、
こちらの記事で出産の兆候を確認しておくと
準備がスムーズにできますよ!
まとめ
今回の記事では、
グッピーの混泳におすすめの生き物や
混泳時の注意点などを解説してまいりました。
グッピーの混泳を成功させるコツは、
混泳相手として考えている生き物の性質を
事前によく学んでおくこと。
見た目がきれいだから、
可愛いから、というだけの理由で
混泳相手を選んでしまうと、
後々になって水槽内でのトラブルに
悩まされることになりかねません。
まだアクアリウム歴の浅い方は、
ショップの店員さんやベテランさんに
相談してみるのも良いでしょう。
ぜひグッピーのベストパートナーを見つけて
素敵な混泳水槽を作ってくださいね!