プラティの飼育に慣れてくると、
「次は繁殖に挑戦してみたい!」と
考えている方も多いでしょう。
プラティは繁殖力がとても強いので、
オスとメスを同じ水槽で飼っていれば
いつの間にか稚魚が産まれていることも
少なくありません。
しかし、プラティは
親魚が子育てをするわけではないので、
稚魚を育てるのは飼い主さん自身。
つまり、稚魚が産まれてからが
プラティの繁殖の本番です。
水温管理や水換えなどの日々のお世話を
適切な方法でしっかり行って、
稚魚が順調に成長していける環境を
整えてあげましょう。
そこで今回の記事では、
プラティの稚魚の育て方の基本について
解説していきたいと思います。
これから稚魚の育成に挑戦する方は
ぜひ参考にしてみてください!
プラティの稚魚の育て方!知っておきたい5つの基礎知識
プラティの稚魚を飼育するうえで
意識したいポイントは次の5つです。
- 温度
- 水換え
- 水流
- ろ過
- 病気
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.温度
どんな生き物でもそうですが、
産まれたばかりの赤ちゃんの体は
とてもデリケート。
プラティも稚魚期は病気になりやすいので、
予防のために水温は少し高めの
27℃前後を保つようにしましょう。
気温が低下する真冬だけでなく
春や秋のような寒暖差の大きい時期には
ヒーターを使って調整してください。
2.水換え
稚魚期は水質の変化に敏感なため、
頻繁に水換えを行うのは
良くありません。
とはいえ、何もしなければ
飼育水は汚れていく一方。
水質が悪化すると水カビ病などの
怖い病気が蔓延する恐れがあるため、
スポイトなどを使って
餌の残骸や排泄物をこまめに取り除き、
水をきれいに保つようにしてください。
どうしても汚れが気になるという時は
全体の1/5程度の換水を行いましょう。
3.水流
稚魚は体が小さいうえに
泳ぎもあまり上手ではありません。
そのため、水槽内に強い水流があると
流れにのみ込まれて体力を消耗し
弱ってしまいます。
フィルターやエアーポンプの水流は
できるだけ抑えるようにしましょう。
4.ろ過
飼育水をきれいに保つためには
ろ過フィルターの設置が不可欠ですが、
まだ体の小さな稚魚のうちは
吸水口に吸い込まれてしまう事故が
よくあるので注意が必要です。
吸い込まれ対策としては、
- 吸水口をスポンジタイプに変更する
- 吸水口を底砂に埋める
- 吸水口に網状のものを被せる
(ストッキングの切れ端など)
などの方法が知られています。
5.病気
稚魚期に注意したい病気のひとつに
「ハリ病」があります。
発症した個体は各ヒレを閉じて
その名のとおり針のように細くなり、
うまく泳げないために餌を十分に食べられず
やがて衰弱していきます。
治療は非常に難しく、
薬浴や塩浴などを行っても
助からないケースも多いようです。
現時点では原因はわかっていませんが、
水質悪化や栄養不足によって発症する
可能性が高いと言われていますので、
飼育水の汚れをこまめに取り除き、
栄養価の高い餌を十分に与えることが
予防になるでしょう。
プラティの稚魚を隔離する方法は?
プラティの稚魚は卵からではなく
親魚のお腹から直接産まれてくるため、
他の魚種のように
”卵を親魚に食べられる”といった
心配はありません。
しかし、産まれたばかり稚魚の
体長はたったの5mmほど。
親魚や他の混泳魚と一緒に泳がせると
餌と間違えられて捕食されたり、
体をつつかれたりして
多くの稚魚が死んでしまいます。
確実に数を増やしたい場合は、
稚魚が成魚の口に入らない大きさになるまで
別の容器に隔離して飼育しましょう。
プラティは一度の出産で
たくさん稚魚を産むので、
稚魚を1匹ずつ捕まえて
隔離用の容器に移動するよりも、
親魚を隔離箱の中で出産させて
すべて産み終わったら
親魚だけを本水槽に戻す方が簡単です。
なお、こちらの記事では
親魚を隔離するタイミングや
容器の選び方などを解説していますので、
ぜひ併せてご覧ください。
プラティの稚魚が増えすぎる!これって大丈夫?
実はプラティは
”放っておいても増える”と言われるほど
繁殖力が強いことで知られています。
メスが1回の出産で産む
稚魚の数は少ない時で10匹前後。
出産の回数を重ねるにつれて
数が増える傾向があり、
経験豊富なメスになると
一度に30~50匹くらい
産むことも珍しくありません。
こちらのYouTube動画では
3回目の出産で誕生した
稚魚たちの様子を紹介しています。
正確な数はわかりませんが、
30匹前後はいるように見えますよね。
さらに、プラティのメスの体内には
オスの精子を保存する器官があり、
1回の受精で3~4回出産します。
出産のサイクルは約25~30日。
つまりプラティは
オスとメスのペアが1組いるだけで
1ヶ月で30匹、2ヶ月で60匹・・・と
爆発的に増える可能性があるのです。
どんどん増えていく様子を見ているのは、
最初のうちは楽しく感じることでしょう。
しかし、過密状態になった水槽は
プラティたちにとって
決して良い環境とはいえませんよね。
ある程度の数まで増やしたら、
あとは稚魚を隔離しないで
成魚と一緒に育てるのも一つの手。
食べられてしまう稚魚も出てきますが、
そのぶん増えすぎることはありません。
繁殖は自分の水槽環境に合わせて
計画的に行うようにしましょう!
まとめ
今回の記事では、
プラティの稚魚の育て方の基本について
解説してまいりました。
稚魚を大きく立派に育てるためには、
適切な水温・水質を保つことと
水槽内の安全管理を徹底することが
大切です。
ただし、稚魚を守ろうとすればするほど
数はどんどん増えていくということも
忘れないでくださいね。
過密飼育はプラティたちにとって
好ましい環境とは言えません。
自分の水槽環境で飼育できる範囲で
繁殖を楽しんでいきましょう。
なお、こちらの記事では
プラティを繁殖させるコツについて
詳しく解説しています。
初めて繁殖に挑戦する皆さんは
ぜひ併せてご覧ください。