ベタの飼い方!ビンやコップでもうまく育てられる5つのコツとは?

”ビンやコップで飼える熱帯魚”としても
知られているベタ。

実際にペットショップなどでも
小さな容れ物に入れられて
販売されているのをよく見かけますよね。

そんなベタを見て、
「こんな熱帯魚なら私にも飼えそう!」と
感じた方も多いのでは?

しかしながら、ベタは決して
”ビンで飼える魚”=”誰でも簡単に飼える魚”
というわけではありません

小さな容器の中で
本来の美しさと健康を維持していくのは、
実は意外と難しいことなのです。

そこで今回の記事では、
ベタをビンやコップなどで上手に育てるコツ
5つのポイントに分けて解説したいと思います。

これからお迎えする新しい家族のために、
正しい飼い方をしっかり覚えていきましょう!

ベタの飼育がビンやコップでもできるのはなぜ?

冒頭でも触れたように、
ベタは”ビンやコップで飼える熱帯魚”
としても知られています。

では、こうした飼い方ができるのは
一体なぜなのでしょうか?

それは、ベタには他の熱帯魚とは違う
”空気呼吸ができる”という特徴があるからです。

通常、熱帯魚の水槽には
水中に酸素を供給するための
エアーポンプが設置されていますよね。

たいていの魚はエラを使って
水中の酸素を取り込んでいるので、
これがないと酸欠になってしまいます。

一方、ベタはエラの内側に
”ラビリンス器官”と呼ばれる
私たち人間の肺に近い器官を持っており、

水中の酸素が少ない時には
水面に顔を出して口から直接
空気中の酸素を取り込むことができます。

つまり、ベタはエラからと口からの
2パターンの呼吸ができるんですね。

そのおかげで、
ビンのような酸素の少ない環境でも
生きていくことができるというわけです。

ベタの飼育はビンやコップのほうが実は難しい!?

ビンなどの小さな容器でも飼えることから、
”誰でも手軽に飼育できる熱帯魚”という
イメージを持たれがちなベタ。

しかし実際のところ、
ビンでの飼育は決して簡単ではありません

なぜなら、ビンなどの小型容器には
以下のような問題点があるからです。

  • 水量が少ない=水が汚れるのが速い
  • 水量が少ない=水温が変動しやすい

たとえばビンと水槽それぞれに水を一杯に入れて
そこに1滴のインクを垂らしたとします。

おそらくビンの水はインクの色に染まりますが、
水槽の水はほんのり色付く程度ですよね。

では、このインクをベタの排泄物だとして
考えてみるとどうでしょうか?

そう、水量が少ない小さなビンだと
ベタがたった1回排泄しただけでも
水が汚れてしまうのです。

水温も同じで水量が少ないほど変動しやすく、
一年を通してベタが好む温度(25~28℃)を
維持し続けるのは非常に困難です。

ろ過フィルターやヒーターなど
水質や水温を適切に保つための器材を
設置することができれば良いのですが、
ビンやコップだと形状上それも難しいでしょう。

つまり、小さな容器でベタを飼育するのは
水槽で飼うよりもずっと難易度が高いのです。

⇒ベタの水槽!サイズ別のメリット&デメリットを比較してみた

なお、小型容器のデメリットについては
こちらの記事でも詳しく解説していますので、
ぜひ併せて参考にしてみてください。

ベタの飼い方!ビンやコップでもうまく育てるための5つのコツ

上記のような理由から、
これからベタを飼い始める方には
できればきちんとした水槽での飼育を
おすすめしたいところなのですが、

予算や設置スペースなどの関係上
「どうしてもビンで飼いたい!」という方も
中にはいらっしゃるでしょう。

そんな皆さんのために、
ここからはベタをビンやコップなどで
上手に育てるコツを5つご紹介していきます。

1.水量1L以上の容器を選ぶ

最近はベタを可愛らしいミニボトルに入れて
販売しているショップも増えていますね。

見栄えが良いのでそのままの容器で
飼育を続けたくなる方も多いと思いますが、
できればもう少しゆとりのあるサイズの
容器に移し替えてあげてください。

最低でも1L、
理想としては3L以上の水量
確保できるものが望ましいでしょう。

先ほどインクを例にしてお話したとおり、
容器に入る水の量が少なければ少ないほど
水はあっという間に汚れます。

かといって頻繁に水換えをしすぎると、
水質や水温が安定しないため
かえってベタが弱ってしまうのです。

一方、容器に入る水の量が多いと
水質が悪化する速度が緩やかになるので
そのぶん水換えの回数も少なくて済み、
ベタへの負担も軽減することができます。

2.水換えは週に1回

水換えは最低でも週に1回は行いましょう。

ただし、水質が急激に変化すると
ベタが体調を崩してしまう恐れがあるので、
一度に替える水の量は全体の半分ほどに
とどめておいてください。

餌の食べ残しや排泄物などのゴミも
スポイトなどできれいに取り除いておきます。

また、容器に新しい水を入れる際には
次のことに気を付けてください。

  • 必ず”カルキ抜き”をした水を入れる
  • ゆっくり時間をかけて水を入れる

水道水にはベタにとって有害な
塩素が含まれているため、
飼育水として使用する場合には必ず
”カルキ抜き”の処理が必要です。

塩素はバケツなどに水を汲み置きしておけば
1~2日ほどで自然と抜けていきますが、
市販のカルキ抜き剤を使用したほうが
より確実かつ時間も大幅に短縮できます。

また、新しい水を容器に投入する際は
最低でも5分はかけて少しずつ足すことで
ベタの体にかかる負担を最小限に抑えましょう。

できれば水温も容器の中の水と同じくらいに
調整しておいてください。

3.餌を与えすぎないようにする

初心者さんがよくやってしまいがちな
失敗のひとつが”餌の与えすぎ”。

ベタが食べ切れずに残した餌は
そのまま放っておくとどんどん腐敗が進み、
やがてアンモニアなどの有害物質を発生し
急激に水質を悪化させてしまいます。

また、ベタの体にとっても
餌の食べすぎは良くありません。

餌の回数は基本的に1日に1~2回
市販の人工餌(小粒タイプ)であれば
1回3~4粒程度で十分です。

一見少なすぎるように感じるかもしれませんが、
餌を少なめに与えるのは熱帯魚飼育の基本。

私たち人間も熱帯魚も同じで、
健康に良いのは”腹八分目”なのです。

また、餌を与える時は
以下のYouTube動画のように
1粒ずつ水面に落としてあげましょう。

ベタが餌を1粒口に入れたら数秒待って、
また1粒水面に落とす、という感じですね。

こうするとベタが満腹になるにつれて
少しずつ食い付きが落ちてくるので、
適度な餌の量を見た目で把握しやすく
与え過ぎを防ぐことができますよ。

4.水温の変化に注意する

ベタの飼育に適した水温は25~28℃

1年を通してできるだけこの範囲内に
温度を安定させるのが望ましいのですが、

ビンなどのような水量が少ない容器は
普通の水槽に比べて外気温の影響を受けやすく
どうしても水温の変動が激しくなります。

急激な温度変化が起こると
ベタの体に負担がかかってしまうので、
容器にはアクアリウム用の水温計を設置して
こまめに水温をチェックしてあげましょう。

また、外気温の影響をモロに受けてしまう窓際に
容器を置くのはできる限り避けてください。

5.容器には必ず蓋をする

ベタは意外とジャンプ力の強い魚で、
飼い主さんが気付かない間に水面から飛び出して
そのまま亡くなっていた・・・というケースも
少なくありません。

この飛び出し事故のいちばんの防止策は
容器に蓋をすることです。

ただし、密閉状態にしてしまうと
ベタが空気呼吸をすることができず
酸欠に陥る恐れがあるので、

蓋は容器に軽くのせる程度にするか
網状になったものを使用して
必ず空気の出入り口を確保しておきましょう。


出典:http://goaqua.blog.fc2.com

工作が得意な方ならこんな感じで
自分で蓋に空気穴を作るのも良いですね。

なかなか合う蓋が見つからない場合は
穴を開けたラップでも代用可能です。

ベタの飼い方!ビンでも使えるヒーターはある?

先ほどお話したように、
ベタの飼育に適した水温は25~28℃です。

そのため、水温が大きく低下する冬場は
ヒーターを使って加温する必要がありますが、

ビンなどの小さな容器で飼育する場合には
一般的な水槽用の水中ヒーターでは
大きすぎて設置することができません。

そこで役に立つのが、
小動物や爬虫類用の”パネルヒーター”です。

こちらの『ピタリ適温プラス』が有名ですね。


出典:https://www.amazon.co.jp

パネルヒーターは水中ではなく
容器の底面に敷いて使用するので、
容器のサイズや形状を問いません。

ただし、パネルヒーターの多くは
温度が一定に固定されているため、
水量が少ない容器に使用すると
水温が上がりすぎることがあります。

パネルヒーターを使用する際には
常に水温を把握できるように
必ず水温計を設置しておきましょう。

もし水温が高くなりすぎる場合には
容器とヒーターの間に布を挟むなどして
うまく調整してみてくださいね。

⇒ベタに適した水温は?夏&冬の温度管理方法を解説!

なお、ベタの水温管理については
こちらの記事で詳しく解説していますので、
ぜひ併せてご覧ください。

ベタの瓶をおしゃれにしたい!おすすめのアイテムは?


ベタは見た目が豪華な魚なので
ビンに1匹泳いでいるだけでも
十分に存在感がありますが、

インテリア性も重視したいという場合は
好みの水草や砂利などを入れて
レイアウトを楽しむのも良いでしょう。

ごくシンプルな容器でも、
使用する素材によって
ガラリと雰囲気が変わりますよ。

ただし、ビンにレイアウトをする際は
あまりゴチャゴチャと物を入れず
なるべくシンプルにとどめましょう。

ベタの大きなヒレは見た目以上に繊細で、
ちょっと何かに引っかかっただけでも
簡単に傷ついてしまいます。

先の尖った流木や角のある石なども
できるだけ避けたほうが無難です。

⇒ベタの水槽レイアウト!100均で揃うおしゃれなアイテム6選

なお、こちらの記事では
皆さんにもお馴染みの”100均”でも揃う
おすすめのレイアウトグッズ
実例とともに多数ご紹介しています。

レイアウトの注意点についても
より詳しく解説していますので、
ぜひ参考にしてみてくださいね。

まとめ

今回の記事では、
ベタをビンやコップでうまく育てる方法を
5つのポイントに分けて解説してまいりました。

”ビンやコップで飼える魚”という
イメージがすっかり定着しているベタ。

特にこれまで熱帯魚の飼育経験がない方は
「ビンなら特別な器材もいらないから
お世話するのもラクそう!」などと
簡単に考えてしまいがちですが、

実際は水槽よりもビンのほうが
はるかに水質・水温の管理が難しいのです。

経験を積んだベテランの方でも、
ちょっとしたことでベタを弱らせたり
死なせてしまうことも珍しくありません。

しかし、小さな容器での飼育が
うまくできるようになれば、

様々な品種のベタをコレクションしたり
自分の手で繁殖させて増やしたりなど、
また違った楽しみ方ができるようにもなります。

そうなってくると、
かえって小型容器のほうが都合が良いと
感じるようになるかもしれませんね。

これからビンでの飼育を始める皆さんは、
今回ご紹介したポイントをしっかり抑えて
挑戦してみてください!


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5.ベタ
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