サンゴの白化の原因は水温?死に追いやるメカニズムについて解説

海の砂漠化とも呼ばれる、サンゴの白化現象。

何となく、環境環境が原因と思っても
詳しい原因やメカニズムは分らない方も
多いのではないでしょうか。

サンゴが白化するというのは、
海が死んでいくのと同じです。

ゆくゆくは、我々人間の
生活にも影響が出てきます。

そこで今回は、サンゴの白化の
原因について詳しく解説していきます。

サンゴが死んでしまうメカニズムまで
解説していきますので、
ぜひ読んでみて下さい。

サンゴの白化の原因は?3つのパターンで紹介


出典:http://futomou.seesaa.net/

サンゴの白化の原因は
大きく分けると3つのパターンがあります。

この章では、その3つのパターンについて
それぞれ、詳しく解説していきます。

1.水温

サンゴの白化の一番の原因は
海水温の上昇です。

サンゴに適した水温は25~28℃ですが、
長期間、海水温が30℃を超えると、
サンゴと共生している褐虫藻に異常が出て、
白化を起こしてしまいます。

最近は地球の温暖化により、海水温が高く、
サンゴにとって危険な状況になってしまいます。

また、年によってエルニーニョ現象が起こり、
その影響で海水温が普段より高くなることで、
サンゴの白化を引き起こすこともあります。

2.台風

台風もサンゴの白化の原因と
思われがちですが、実は台風そのものは
サンゴの白化を食い止めてくれる存在です。

特に水温が高い夏の時期に
台風が発生することによって、
海の中がかき混ぜられ、水温が低下します。

しかし、台風が接近しないと、
海水温が高いままになってしまい、
サンゴの白化の原因となってしまいます。

最近では異常気象によって、
台風の発生が少なかったり、
沖縄地方を避けるようなコースの
台風ばかり発生することで、サンゴの
白化を進めてしまう原因となっています。

2016年は台風の発生が少なく、
その影響で沖縄地方で大規模な
サンゴの白化が起きてしまいました。

台風は我々には災害かもしれませんが、
地球環境の中で必要な自然現象でもあるのです。

3.水質汚染

サンゴの白化の3つめの原因として、
水質汚染が挙げられます。

サンゴと共生している褐虫藻が、
サンゴから追い出されてしまう原因は
サンゴに強いストレスがかかることです。

人間の生活による水質汚染が起きてしまうと、
サンゴにストレスを与えることになり
結果として褐虫藻を追い出し、
白化を引き起こしてしまいます。

サンゴの白化の仕組みは?なぜ死亡するの?

サンゴは、褐虫藻と呼ばれる植物プランクトンを
体内に共生させ、その褐虫藻が光合成によって
生産したエネルギーを受け取り成長しています。

サンゴの白化は、上の章で紹介したように、
様々な要因によって引き起こされますが、
その根本は、サンゴに強いストレスが
かかっていることです。

サンゴに強いストレスがかかると、
共生している褐虫藻を放出、
もしくは褐虫藻が自ら出て行ってしまいます。

褐虫藻が出て行ってしまった
サンゴは白い骨格が見え、
白く見えるため白化と呼ばれます。

例え白化しても、ストレスが緩和すれば
再び褐虫藻を獲得し、健康な状態に戻ります。

しかし、長期間ストレスを受け続け、
白化したままの状態でいると、
本来、褐虫藻から受け取るはずの
エネルギーを受け取ることが出来ず、
やがて死亡してしまいます。

死んでしまったサンゴは波や水流によって
少しずつ形が崩れ、やがて海底に
破片となって散らばっていきます。

こちらの動画では、サンゴが白化し、
その後死んでしまった海を紹介しています。

白化したサンゴが死亡し、
茶色になってしまっています。

本来色鮮やかなはずの海底が
茶色一色になってしまっていますね。

サンゴの白化を回復させる方法があるって本当?

サンゴの白化を回復させる方法は、
簡単なものではありません。

夏の間の短期的な水温上昇であれば、
水温の低下と共に白化から回復する事が可能です。

しかし、地球の温暖化による
水温の上昇や、水質の汚染については、
簡単に改善できるものではありません。

地球規模での環境改善が必要となります。

白化現象の影響を受けなかったエリアから
サンゴを移植する方法もありますが、
根本を改善しなければ、再び白化を
引き起こしてしまう可能性が高いでしょう。

サンゴの白化の回復については
こちらの記事で詳しく紹介しています。

サンゴの白化を回復!再生させる方法と対策をまとめてみた

具体的な対策方法などを
紹介していますので、
ぜひ読んでみて下さい。

サンゴの白化はオニヒトデに影響を与える?

オニヒトデは、サンゴのポリプを
食べて生活しています。

自分の胃を口から出し、サンゴの組織を
直接消化吸収して食べてしまい、
1匹のオニヒトデは1年間で
5~13㎡の食べると言われています。

時に大量発生をして、多くのサンゴに
被害を出してしまうオニヒトデですが、
餌となるサンゴが白化してしまうと
どのような影響があるのでしょうか?

実はオニヒトデは、1年間ほどであれば
絶食に絶えられる生き物なのです。

そして、他のヒトデと同じように、
海底に沈むデトリタスを食べたり、
岩肌の石灰藻も食べることが出来ます。

そのため、サンゴが白化しても
オニヒトデが死んでしまうことは
あまり考えられていません。

こちらの記事では、サンゴの白化が
他の生き物にどのような影響を
与えるのか解説しています。

サンゴの白化の影響!魚やオニヒトデが死ぬって本当?

ぜひあわせて読んでみて下さい。

まとめ

以上、サンゴの白化の
原因について紹介してきました。

サンゴの白化は、私達人間による、
地球環境の変化が大きな
原因であることが分りました。

サンゴが白化してしまうと、
私達の生活にも影響が出てきます。

たかがサンゴの白化と考える方も
いるかもしれませんが、地球環境は
全てが繋がっています。

サンゴの白化も1つのきっかけに
環境に負荷のかからない生活を
少しでも意識していきたいですね。


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