丈夫で育てやすいだけでなく、
簡単に繁殖できる熱帯魚としても
知られているグッピー。
しかし、産まれた直後の稚魚は
まだ体が小さいうえに
泳ぎもあまり上手でないため、
成魚や他の混泳魚と同じ水槽で育てると
餌と間違えて食べられてしまったり
体をつつかれたりして
多くの個体が死んでしまいます。
そのため、確実に稚魚を成長させて
数を増やしたいという場合は、
ある程度の大きさに育つまで
隔離して育てるのが一般的です。
では、小さなグッピーの稚魚を
うまく捕まえて隔離するには
どうしたら良いのでしょうか。
そこで今回の記事では、
グッピーの稚魚を隔離する方法や
隔離期間の目安などを解説したいと思います。
これからグッピーの繁殖に挑戦する方は
ぜひ参考にしてみてくださいね!
グッピーの稚魚を隔離!捕まえ方にはどんな方法がある?
産まれたばかりのグッピーの稚魚の体は
とても小さくデリケート。
無理に水槽外へ掬い出そうとすると
体に傷をつけてしまう恐れがあるので、
捕獲は慎重に行わなくてはなりません。
では、稚魚を安全に捕まえるためには
どうしたら良いのでしょうか。
1.捕獲用ネットを使うのは危険?
アクアショップなどで
水槽にいる魚を掬うための
”ネット”が販売されているのを
皆さんも見たことがあると思いますが、
これを使って稚魚を捕まえるのは
実はあまりおすすめではありません。
グッピーの稚魚は動きが素早いので、
無理に追い回すとネットが稚魚の体に当たり
ケガをさせてしまう恐れがあるのです。
稚魚をより安全に捕まえるための
アイテムとしておすすめなのは”コップ”。
ご自宅で不要になったものなど、
どんなものを使っても大丈夫です。
稚魚を驚かせないように
そっと水槽内にコップを沈めて、
ゆっくり優しく稚魚を掬っていきましょう。
2.より安全&簡単に隔離する方法がある!?
産まれた稚魚を1匹ずつ捕まえて
隔離用のケースに入れていっても
もちろん良いのですが、
グッピーは1回の出産で
30~50匹もの稚魚を産むため、
親魚を隔離用ケースの中で出産させて
すべての稚魚を産み終わったら
親魚だけを本水槽に戻すほうが簡単です。
また、この方法なら
稚魚を掬わなくて良いので、
デリケートな体にダメージを
与えることもありません。
グッピーのメスは出産が近付くと
外見や行動に次のような変化が出てきます。
- お腹がパンパンに膨らむ
- 妊娠マークが濃くなる
- 水槽の壁面に沿って上下に泳ぐ
- 底に沈んだまま動かない
- 他魚を嫌がる仕草をする など
このような兆候があらわれたら、
隔離用ケースに移動させて
出産まで様子を見ましょう。
なお、出産前に見られる兆候については
こちらの記事で詳しく解説していますので、
ぜひ参考にしてみてくださいね。
グッピーの稚魚を隔離するシェルターは自作できる?
稚魚を隔離するための容器として
各メーカーが隔離箱(産卵箱)を
販売していますが、
できるだけコストを抑えたい場合は
身近にある材料を利用して
自作することも可能です。
こちらの動画では、
プラケースと鉢底ネットを使用した
隔離箱の作り方が紹介されています。
産まれた直後のグッピーの稚魚は
まだうまく泳ぐことができないため、
容器の底の方へと落ちていきます。
その時に鉢底ネットの網目を
通り抜けることによって
親魚としっかり分離されるので、
産まれた直後に親魚の餌食になるのを
防ぐことができるわけですね。
また、プラケースも鉢底ネットも
100円ショップで購入できるので、
市販品を購入するよりも
圧倒的に安く済みますよ。
工作やDIYが得意な方は、
ぜひご自分で作ってみては
いかがでしょうか。
グッピーの稚魚の隔離期間!水槽に戻すタイミングはいつ?
稚魚が成魚の口に入らないくらいの
大きさまで成長したら、
もう食べられる心配はありませんので
本水槽の成魚と合流させてOKです。
稚魚の成長には個体差があるため、
本水槽に戻す明確な時期というのは
特に決まってはいませんが、
- 成魚の半分くらいの大きさ
- 体長1.5~2cm前後
だいたいこれくらいのサイズを
目安にすると良いでしょう。
ただ、食べられない大きさになったとはいえ
まだまだ体の小さい稚魚は
水槽内で”いじめ”の標的にされやすいため
注意が必要です。
稚魚を追い回したりつついたりするような
やんちゃな成魚がいる場合は、
稚魚が隠れられるように
水草を多めに入れてあげましょう。
グッピーの稚魚の色が変化するのはいつ?
熱帯魚の中でも特に
体の色や模様のバリエーションが
豊富なグッピーですが、
産まれたばかりの頃はまだ色も模様もなく
メダカのような素朴な姿をしています。
そんなグッピーの稚魚たちを見ていると、
将来的にどんな色に成長してくれるのか
待ち遠しくなってしまうでしょう。
グッピーの体の色や模様は
親魚の遺伝による影響が大きく、
体長が1~2cmほどになる
生後1ヶ月頃になると
尾びれが親と同じような色に
うっすら変化していきます。
なかなか色が変わらないという場合は
成長が少し遅めなのかもしれません。
稚魚期は多くの栄養が必要になりますので、
「ブラインシュリンプ」などの
栄養価の高い餌を十分に与えて
成長を促してあげましょう。
なお、グッピーの稚魚の色については
こちらの記事で詳しく解説していますので、
ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
今回の記事では、
グッピーの稚魚を隔離する方法や
隔離期間の目安などについて
解説してまいりました。
自分や仲間がお腹を痛めて産んだ
可愛い稚魚を食べてしまうなんて、
初めてグッピーを飼育する方は
ショックを受けてしまうかもしれませんね。
しかし、これはグッピーに限ったことではなく
他の魚種でも同じなのです。
ただ、すべての稚魚を救ってあげようと
出産のたびに隔離して飼育していれば、
グッピーの数は増える一方。
水槽はあっという間に
過密状態になってしまいます・・・。
稚魚の数がある程度増えてきたら、
隔離しないで自然の流れに任せるのも
一つの手。
繁殖は自分の水槽環境をよく考えて
計画的に行うようにしてくださいね!