グッピーの飼育にある程度慣れてくると、
「次は繁殖に挑戦してみたい!」と
考える方も多いでしょう。
グッピーは繁殖力が非常に旺盛なので、
オスとメスのペアがいれば
初心者さんでも容易に繁殖させられます。
しかし、グッピーは
親魚が子育てをするわけではないので、
赤ちゃんのお世話をするのは飼育者さん自身。
グッピー繁殖の本番は
「赤ちゃんが産まれてから」なのです。
そこで今回の記事では、
グッピーの赤ちゃんの育て方の基本や
生存率を高めるコツなどについて
解説してまいりたいと思います。
これからグッピーの繁殖に
チャレンジする皆さんは、
ぜひ参考にしてみてくださいね!
グッピーの赤ちゃんは卵で産まれる?
グッピーの赤ちゃんというと
金魚やメダカなどの他の魚と同じように
メスが産み落とした卵から稚魚が誕生するのを
イメージされる方も多いと思いますが、
実はグッピーは「卵胎生」といって
メスがお腹の中で卵を孵化させて
ある程度の大きさまで育ててから出産します。
つまりグッピーは
最初からお魚の姿形をした状態で
産まれてくるんですね。
グッピーが他の熱帯魚に比べて
繁殖が容易だと言われているのは
このためです。
「いきなり稚魚が産まれるなんて
何だか信じられない!」という方は、
こちらの動画で確認してみてください。
お母さんグッピーの大きく膨らんだお腹から
小さな赤ちゃんが産まれてくるのが
おわかりいただけたでしょう。
こうしてお母さんグッピーは
1回の出産で30~50匹ほどの
赤ちゃんを産みます。
赤ちゃんたちを無事に育てることができれば
水槽が一気に賑やかになりますね。
なお、グッピーの出産については
こちらの記事でも解説していますので、
ぜひ併せてご覧ください。
グッピーの赤ちゃんの育て方は?隔離しないと親に食べられる?
先述のとおり、グッピーは
卵ではなく最初から稚魚の状態で
産まれてくるお魚です。
そのため他の小型熱帯魚に比べて成長しやすく
稚魚の生存率は70~80%と言われています。
とはいえ、
生後間もない赤ちゃんグッピーは5mm前後と
成魚に比べればかなり小さいので、
親魚や他の混泳魚たちと一緒にしておくと
いわゆる”共食い”状態になってしまったり、
つつかれたりして死んでしまうことも。
こうした事態を避けるために、
赤ちゃんはある程度の大きさに成長するまで
専用のケースに隔離して育てましょう。
産まれてくる数が多いので、
赤ちゃんを1匹1匹掬っていくよりも
お母さんグッピーを専用ケースで出産させて
本水槽に戻すほうが簡単です。
隔離する期間の目安としては
生後1ヶ月~1ヶ月半、
体長約1.5~2cmくらいまでに育てば
成魚に食べられる心配はありません。
隔離しないで育てたい場合は、
水草など赤ちゃんの隠れ家になるものを
水槽内に多めに入れてあげてください。
グッピーの赤ちゃん!生存率を上げる3つのコツ
グッピーの赤ちゃんの生存率は、
以下の3点に気をつけて飼育することで
さらに高くなります。
- 餌の与え方
- 水温の管理
- 水換え
では、それぞれについて
詳しくお話していきますね。
①餌の与え方
グッピーの赤ちゃんは
小型魚の稚魚の中でも比較的大きいので、
成魚用の餌でもすり潰せば食べられます。
しかし、立派な成魚へと成長するには
より多くの栄養が必要になるので、
できれば稚魚用の餌を用意しましょう。
人工飼料でも構いませんが、
おすすめは「ブラインシュリンプ」です。
出典:https://www.shopping-charm.jp/
ブラインシュリンプとは
塩水湖に生息する小型甲殻類の一種で、
栄養価が高く消化の面でも優れていることから
熱帯魚の稚魚の餌として重宝されています。
また、餌は「少量をこまめに」与えるのが
大きく立派に育てるためのポイントです。
内臓が未発達な赤ちゃんグッピーは
一度にたくさんの量を与えても
食べられないので、
1日5~6回、1~2分で食べ切れる量を
目安として給餌を行いましょう。
食べ残しは放っておくと水質を悪化させ
赤ちゃんの成長に悪影響を及ぼすため、
こまめに取り除くようにしてください。
赤ちゃんグッピーの餌については、
こちらの記事でも解説しています。
②水温の管理
グッピーの赤ちゃんは
水温が低くなると内臓のはたらきが鈍り
食欲が衰えてしまいます。
そうなると成長に必要な栄養を
十分に摂取することができなくなるので、
水温の管理はしっかり行いましょう。
赤ちゃんグッピーの成長に
最適な水温は26~28℃です。
水温の下がりやすい冬場は
水槽用ヒーターなどを利用して
調節してあげると良いですね。
水温が高いと食欲も旺盛になり、
そのぶん成長スピードも早くなります。
③水換え
グッピーは基本的に丈夫なお魚ですが、
水温や水質の急激な変化は苦手です。
そのため、頻繁に水換えを行ったり
1度に大量の水を換えてしまうと、
小さな赤ちゃんグッピーの体に
負担がかかってしまいます。
水換えは水の状態や赤ちゃんの様子を見ながら
1週間に1~2回、全体の1/4~1/3程度の量を
行うと良いでしょう。
グッピーの赤ちゃんが動かない!原因は何?
産まれた直後の赤ちゃんグッピーは
すぐにはあちこち泳ぎ回らず、
砂利や水草の上にとどまって
じっとしていることが多いです。
そのため、しばらくの間は
様子を見ていても大丈夫でしょう。
ただ、本水槽で出産した場合は
このじっとしている間に
成魚に食べられてしまう恐れがあるので、
すみやかに専用ケースに隔離してください。
一方、時間が経っても動かない、
生後数日で死んでしまう、という場合は
以下のような原因が考えられます。
- 水温や水質が適切でない
- 過密飼育による酸欠
- 病気 など
先述のとおり、
赤ちゃんグッピーは水質の変化に敏感なので
頻繁に水換えを行うのはよくありません。
とはいえ、何もしなければ
飼育水は汚れていく一方。
水質が悪化すると水カビ病などの
怖い病気が蔓延する恐れがあるため、
スポイトなどを使って
餌の残骸や排泄物をこまめに取り除き、
水をきれいに保つようにしてください。
また、飼育ケースの大きさに対して
赤ちゃんグッピーの数が多すぎると、
水中の酸素があっという間に消費され
赤ちゃんが酸欠状態に陥ってしまいます。
赤ちゃんの数が多い場合は、
大きめのケースを用意するか
複数のケースに分けて飼育しましょう。
水温上昇も酸欠になりやすいので、
特に水温の上がりやすい夏場は
注意が必要です。
動かないだけでなく
見た目に何らかの異常がある場合は
病気にかかっている可能性があります。
⇒グッピーの病気!尾びれやお腹が膨らむなどの症状について解説
グッピーの病気については
こちらの記事で詳しく解説していますので、
症状などをチェックしてみましょう。
まとめ
今回の記事では、
グッピーの赤ちゃんの育て方の基本や
生存率を上げるためのコツなどについて
解説してまいりました。
熱帯魚初心者さんの入門種としても
よく知られているグッピーですが、
卵胎生であることから
稚魚も他の小型熱帯魚より
育てやすいと言われています。
うまく育て上げることができれば、
水槽内をより一層鮮やかに
彩ってくれるに違いありませんね。
成長に適した環境を整えて、
元気なグッピーを育てていきましょう!