熱帯魚界で随一の知名度と
人気を誇るグッピー。
丈夫で繁殖力も旺盛なことから
アクアリウム初心者の入門魚として
選ばれることも多いですが、
初めて繁殖に挑戦する方は
わからないことも多々あるでしょう。
そこで今回の記事では、
「オスメスってどう違うの?」
「メスは妊娠マークが出るって本当?」など
グッピーを繁殖するうえで知っておきたい
性別に関する知識をまとめてみました。
これから繁殖を目指す方は
ぜひチェックしてみてくださいね!
グッピーの性別!雌は妊娠マークが出るって本当?
グッピーの繁殖には
当然のことながらオスとメスが必要ですが、
グッピーは見た目が雌雄で大きく違うため
他の魚と比べて性別の見分けが簡単です。
オスとメスには、
それぞれ以下のような特徴があります。
オス | ・ヒレが大きく立派で全体的に派手 ・尻ビレの先端に生殖器(ゴノポジウム)がある |
メス | ・オスに比べてヒレが小さく全体的に地味 ・お腹が大きくふっくらしている ・尻ビレの形に丸みがある ・肛門付近に妊娠点がある |
グッピーは「卵胎生」といって、
メスがお腹の中で卵を孵化させて
稚魚を産みます。
そのため、メスはオスに比べて
お腹がふっくらと膨らんでいます。
また、メスは幼魚の頃から
肛門の近くに妊娠点(妊娠マーク)と呼ばれる
黒っぽい点が見られるのも特徴です。
この部分は産仔が間近に迫ると
お腹の膨らみとともに大きくなるので、
繁殖を目指す場合はこれを目安に
メスを隔離ケースに移すなど
産仔にそなえて準備を行います。
なお、こちらの動画では
実際にグッピーの雌雄を選別しながら
それぞれの違いを詳しく紹介しています。
よろしければ参考にしてみてくださいね。
グッピーは雌雄同体って本当?
グッピーを飼育していると、
”明らかにオスの特徴を持つ個体が産仔する”
という何とも奇妙な現象が起こることが
稀にあるといいます。
このことからグッピーは
雌雄同体ではないかという説が
存在するようですが、
実際のところは雌雄同体ではなく
環境に応じて「性転換」をすると
考えられています。
オスが産仔するというケースは
オスの個体ばかりを飼育している水槽で
しばしば見られるようで、
これは生物の持つ”種族保存本能”が
はたらくためなのだとか。
つまり、オスがメスに性別を変えることで
繁殖行動を可能にしているのですね。
このように性別を変えることで
子孫を残そうとする魚類は珍しくなく、
現在は300種類ほどの魚が
性転換を行うことが確認されています。
グッピーの雌雄の比率!メスばかりなのはなぜ?
また、グッピーを繁殖させていると
産まれてきた赤ちゃんの雌雄の比率が
メスばかりに偏ることがあるようです。
これも先述の「性転換」と同じくらい
不思議な現象ですよね・・・。
メスの赤ちゃんが多い理由は、
次の3つだと言われています。
- 水質または水温の影響
- 遺伝的な要因
- 体が未発達なためメスに見える
耳にしたことがある方も多いと思いますが、
グッピーの産仔の性比は
水温や水質で変わるという説があり、
特にpHが酸性に傾いていると
メスが多く産まれると言われています。
しかしこれはあくまでも噂の範疇にすぎず、
科学的な根拠は明らかになっていないとか。
また、産まれた直後の赤ちゃんグッピーは
みんなメスのような見た目をしているので、
単に”メスしかいないように見える”
だけかもしれません。
この頃はベテラン飼育者さんでも
性別を見分けるのが難しく、
通常は生後1~1ヶ月半頃から
雌雄の区別がつくようになりますが、
それでもやはりメスの方が多いという場合は
オスの親魚に遺伝的な要因が
潜んでいることがあるようです。
この場合は親魚の見た目だけでは
原因を特定しにくいため、
メスばかりが産まれるケースが続くようなら
繁殖に使う個体を変えてみると良いでしょう。
グッピーのメスが攻撃的!喧嘩ばかりするのはどうして?
通常、繁殖時のグッピーは
オスがメスを追いかけ回して
求愛行動をしますが、
反対にメスがオスを追いかけたり
攻撃的な態度を取るのは
産仔が近付いているサインのひとつ。
いわゆる”マタニティブルー”のような状態が
グッピーのメスにもあると考えられており、
この時期には攻撃的になる以外にも
次のような行動が見られます。
- 水槽のガラスに沿って上下に泳ぐ
- 底床や水面付近で動かなくなる
- 他魚が近寄ってくると逃げる
- 水草にお尻を擦り付ける など
このように、
普段とはちょっと違った行動をしている
メスのグッピーを見かけたら、
すみやかに隔離ケースに移動しましょう。
産仔という大仕事にそなえて、
ゆっくり過ごさせてあげてくださいね!
グッピーのメスには選び方がある?
出典:http://miyabi-aqua.sblo.jp/
グッピーの繁殖を目指すなら、
オスメスともできるだけ健康で
元気な個体を選びたいところ。
ショップで購入する際には、
以下のポイントをチェックしてみましょう。
- 水槽内を活発に泳ぎ回っているか
- 痩せ細っていないか
- 体型や泳ぎ方に異常はないか
- 品種の特徴がよく現れているか
オスならばヒレが綺麗に開いていて、
常にメスを追いかけ回しているようなら
申し分なく元気な個体と言えます。
一方、メスは良い個体の見分けが
ちょっと難しいですが、
大柄でお腹のあたりがふっくらしており、
追いかけるオスにも嫌がる素振りを見せず
むしろ寄り添っていくくらいの個体が
繁殖用としては望ましいでしょう。
ショップの店員さんと相談しながら
選んでみてくださいね。
まとめ
今回はグッピーの性別に関して
お話させていただきました。
グッピーは見た目だけでも
オスメスの区別がつきやすい魚ですが、
メスは産仔が近付くと
お腹がより大きく膨らんできたり
妊娠マークが目立ってくるなど
特徴がさらにはっきりしてきます。
そうした兆候は
二度、三度と産仔を観察するうちに
気付けるようになってきますので、
繁殖も成功しやすくなるでしょう。
無事に赤ちゃんが産まれたら、
大切に育ててあげてくださいね!
⇒グッピーは出産で何匹産むの?数や出産後のケアについてまとめてみた
なお、グッピーの出産については
こちらの記事でも詳しく解説していますので、
ぜひ併せてご覧ください。