熱帯魚の中でも随一の
華やかさをもつグッピー。
そんな彼らの美しい体色を
より一層引き立ててくれるのが
緑鮮やかな「水草」です。
水草の茂みとカラフルなグッピーの
織りなすコントラストは、
どんなインテリアにも引けを取らない
存在感を放つことでしょう。
では、グッピーの水槽には
どのような水草が適しているのでしょうか。
水草と一口に言っても様々な種類があり、
どれを選ぶべきか迷ってしまいますよね。
そこで今回の記事では、
グッピー水槽のレイアウトに
おすすめの水草の種類をご紹介します。
水草の必要性や役割などについても
解説していますので、
ぜひ参考にしてみてくださいね!
グッピーに水草は必要なの?
水槽に水草をレイアウトすると
単に見た目が良くなるだけでなく、
以下のようなメリットも得られます。
水草レイアウトのメリット
- 水質の悪化を防ぐ
- 水中に酸素を供給する
- グッピーの隠れ家になる
水槽内の水が汚れる主な原因は、
グッピーの排泄物と餌の食べ残しです。
水草はそれらを分解して養分として吸収し、
水質が悪化するのを防いでくれます。
また、水草は光合成によって
水中に酸素を供給してくれるので、
エアレーションのない水槽の場合は
特に重要な存在です。
さらに、
少なからず力関係が発生する水槽内では
水草は稚魚や弱い個体にとっての
絶好の”隠れ家”になってくれます。
体の大きな個体に
追いかけ回されたりした時、
弱い個体は水草の茂みに身を隠して
やり過ごすことができるんですね。
こうして日常的な小競り合いが減ることで
グッピーのストレスが軽減され、
居心地良く暮らせるようになるのです。
グッピーは水草に卵を産むって本当?
熱帯魚水槽の水草は、
メスが卵を産み付けるための
”産卵床”としての役割も担っています。
グッピーもメダカの仲間ですから、
同じように水草を入れておくと
メスが卵を産むと思っている方も
いらっしゃるでしょう。
実はグッピーは「卵胎生」といって
メスがお腹の中で卵を孵化させて
ある程度の大きさまで育ててから出産します。
つまりグッピーの水槽に水草を入れても、
卵が産み付けられることはありません!
産卵の様子が気になる方は
こちらの動画をチェックしてみてください。
しかし、繁殖を狙いたい場合は
やはり水草は必要です。
なぜなら、
産まれたばかりの赤ちゃんグッピーは
体長5mm前後ととても小さいため、
成魚が餌と勘違いして
赤ちゃんを食べてしまうからです。
こうした事態を防ぐためにも
赤ちゃんがある程度成長するまでは
成魚とは隔離して育てるのが良いのですが、
同じ水槽で飼育するという場合は
水草を多めに入れてあげることで
赤ちゃんの生存率を上げられます。
なお、グッピーの出産については
こちらの記事でも解説していますので、
繁殖を目指す方はぜひ併せてご覧ください。
グッピーの水草をレイアウト!おすすめの種類ベスト3
では、グッピーの水槽には
どのような水草が適しているのでしょうか。
今回は初心者さんでも育てやすい種類を
3つご紹介したいと思います。
1.ウィローモス
水槽レイアウトの定番種としても
よく知られるウィローモスは、
日本にも生息するミズゴケの一種です。
何かに活着する性質を活かして
石や流木などに巻き付けて
レイアウトに使用されることが多く、
その深みのある緑が織りなす茂みは
まさに”苔生した”という言葉がぴったり。
森の奥深くや趣のある日本庭園風の
レイアウトを目指す際には
うまく活用したい水草の一つです。
マット状に活着させたものを
絨毯のように底床に敷き詰めれば、
グッピーたちの隠れ家としても
一役買ってくれます。
石や流木に活着させる際は
釣り糸やビニタイなどを使って
巻き付けるのが一般的ですが、
この作業が難しい場合は
すでに活着した状態で販売されている
アイテムも多数あるので、
そちらを利用してみても良いでしょう。
2.アヌビアスナナ
アヌビアスナナはアフリカに生息する
サトイモ科の水草で、
こちらも石や流木などに着生して
育つ性質があります。
葉には丸みがあるので、
グッピーの自慢のヒレが引っかかって
傷付いてしまう心配がありません。
また、非常に丈夫で
光量やCO2も必要としないため、
水草初心者さんも扱いやすいでしょう。
ただし、アヌビアスは他の水草に比べて
生長がとても遅いので、
コケ(藻)の発生に注意してください。
ヤマトヌマエビやミナミヌマエビなど
コケ取り能力の高いエビを
一緒に飼育すると予防に効果的です。
また、アヌビアスの仲間は
購入時に農薬が付着しているケースが
多いと言われています。
ショップで購入する際には、
残留農薬の処理が行われたものかどうか
しっかり確認するようにしましょう。
3.ウォータースプライト
ウォータースプライトは水生シダの仲間で、
和名を「ミズワラビ」といいます。
ワラビというよりも春菊みたいな
葉の形をしていますね(笑)
ウォータースプライトは、
アルカリ性の水質でも育成できるという
水草には珍しい特徴があります。
そのため、アルカリ性を好む
グッピーとの相性は抜群で、
古くからグッピー水槽のレイアウトに
用いられてきました。
育成もそれほど難しくなく、
Co2添加なしでも育てることが可能です。
根張りがとても強く
成長すると移動するのが困難になるので、
底砂に植え込む際には
あらかじめ位置を決めておきましょう。
水面に浮かべて、
浮草のように育てることもできます。
グッピーが水草をつつく!何をしてるの?
グッピーの水槽に水草を植えると、
時折グッピーが水草をつつくような
仕草を見せることがありますが、
一体何をしているのでしょうか。
この行動については
特に意味がないという説もあるようですが、
グッピーがつついた後を見てみると
「水草が食べられていた!」なんてことも。
特にマツモやカボンバなどのような
柔らかい葉を持つ水草を
好んで食べることが多いようです。
グッピーはもともと雑食性の魚なので、
食べられそうなものを見つけたら
何でも口に入れてしまうのでしょう。
水槽のガラス面に生えたコケ(藻)を
食べる個体もいるそうですよ。
お腹が空いていると
餌以外の物を口に入れる傾向が
強くなるそうなので、
水草の食害が気になる場合は
給餌量や回数を見直してみると
良いかもしれません。
グッピーが水草を食べたり
つついたりする行動については、
こちらの記事でも解説しています。
まとめ
今回の記事では、
グッピー水槽における水草の必要性や
おすすめの水草の種類について
解説してまいりました。
水草は単に水槽の見栄えを良くするだけでなく
グッピーに適した環境を維持するという点でも
非常に重要なものの一つです。
水草本来のきれいな草姿を保つためには
定期的なお手入れが必要になるので、
ちょっと面倒に感じる方も
いらっしゃるかもしれませんが、
扱いやすい水草もたくさんありますので
ぜひ好みの種類を選んで
グッピー水槽に取り入れてみてください!