メダカを育てていく中で
飼育者さんがもっとも気を遣う季節は、
水温が上がりやすい真夏。
特にここ数年は
異常なほどの猛暑になる日も多く、
ふと水槽の水温計を見てみたら
ビックリするほど水温が上がっていた・・・
なんてこともしばしばです。
「これじゃメダカが夏バテしちゃう!」と
困っている方も多いのではないでしょうか。
暑い中で元気をなくしている姿を見ると
一刻も早く何とかしてあげたくなりますよね。
そこで今回の記事では、
メダカ水槽の水温を下げる方法や
温度をうまく合わせるコツなどをを
ご紹介したいと思います!
メダカの水温をうまく下げる方法はある?
メダカ水槽の水温が高い時、
皆さんはどのようにして調整していますか?
慌てて冷水や氷を水槽内に投入する方も
多くいるようですが、
実はどちらも正しい方法とは言えません。
急激な温度変化が
メダカの体にダメージを与え、
体調を崩してしまうことがあるからです。
では、
メダカに負担をかけずに水温を下げるには
どうしたら良いのでしょうか。
試していただきたい方法は、
次の3つです。
- エアレーションを導入する
- 水量を多くする
- 水槽用の冷却ファンを設置する
エアレーション装置を設置すると、
水中に酸素を供給されるだけでなく
泡が水面で弾けることによって
水温を下げる効果も期待できます。
「メダカにエアレーションは不要」
という声もよく聞かれますが、
夏場だけでも設置してあげると良いでしょう。
ただし、
メダカは強い水流が苦手なので
エアーの量には注意してくださいね。
また、
プラケースなどの小さな容器は
どうしても水温が上がりやすいです。
可能であれば、
多めの水量を確保できる
大きめの水槽で飼育してあげましょう。
水量が多いほど
水温の上昇を遅らせることができます。
さらに、
アクア用品を扱うお店に行くと、
以下の画像のような
水槽用の冷却ファンが販売されています。
出典:https://www.shopping-charm.jp/
これを水槽の縁に設置して
ファンの風を水面に直接当てると、
気化熱によって水温を下げることができます。
なお、こちらの商品の
1日あたりの電気代は約52円だそうです。
屋内飼育の場合は、
エアコンをガンガンきかせて
水温を下げようとするよりも、
ずっと経済的ではないでしょうか。
メダカの水温のあげ方はどうすればいいの?
一方、寒冷地にお住まいの方は、
夏よりも冬場の低水温のほうが
心配かもしれませんね。
筆者も北海道在住なのですが、
厳冬期には-20℃を下回ることも多く
室内飼育でもそんな日は不安です。
メダカ水槽の温度を上げたい時には
次の3つの方法を試してみてください。
- 暖房機器の近くに水槽を移動する
- 発泡スチロールや段ボールで
水槽を保温する - お湯の入ったペットボトルや
使い捨てカイロを水槽の周りに置く
まず、メダカ水槽を置いている部屋に
ストーブやエアコンなどの暖房機器があれば、
その近くに水槽を置いてあげましょう。
ただし、水温が急激に上昇しないよう
設定には気を付けてくださいね。
また、皆さんもご存知のとおり
段ボールや発泡スチロールには
保温効果があります。
ご家庭で余っているものがあれば、
水槽の周りをぐるっと囲ったり
底に敷いてあげると良いでしょう。
屋外飼育の場合は風除けにもなるので、
冷たい外気の影響を受けにくくなります。
アクア用品を扱う『チャーム』からは、
発泡スチロール製の睡蓮鉢も
販売されていますよ。
出典:https://www.shopping-charm.jp/
さらに、
使い捨てのカイロや
お湯を入れたペットボトルを
保温した水槽の近くに置いておくと、
水槽側面や水面からの
放熱防止になります。
メダカの水温!温度をうまく調整するための3つのコツとは?
水温は四季の移ろいとともに
変化するもの。
メダカにとって快適な水温を
キープしてあげるには、
季節に応じた対策が必要です。
ここからは、
季節ごとに水温を調整する”コツ”を
ご紹介していきますね。
⒈季節によって水槽の置き場所を変える
室内には冷房や暖房器具があるため、
年間を通して部屋の温度を
一定に保つことが可能です。
そのため、
屋内飼育をしているのであれば
適切な水温を維持することは
そこまで難しいことではありません。
しかし、お庭やベランダなどの
屋外で飼育している場合は、
外気や日の当たり具合によって
水温が急激に変化する恐れがあります。
特大サイズの睡蓮鉢で飼育していたり
飼育容器が多数あるという場合には
困難かもしれませんが、
そうでなければ
夏は直射日光の当たらない日陰に、
冬はあたたかい室内に、といった具合に
季節に応じて水槽の置き場所を
移動してあげると良いでしょう。
置き場所を決める際には、
夏と冬、朝晩でどれくらいの
温度変化があるのかを
事前に調べておくと安心です。
⇒メダカの飼育の方法!屋外と屋内で違うことを徹底比較!
水槽の置き場所については
こちらの記事でも解説しています。
⒉冬場はヒーターをうまく利用する
少々電気代はかかりますが、
冬場の低水温対策としては
やはり水槽用ヒーターを使うのが
もっとも良いでしょう。
飼育数が多い場合は、
画像のような”湯煎”方式にすると
ヒーターひとつで複数の飼育容器に
加温が可能です。
⒊夏場は直射日光を遮る
屋内飼育をしている場合でも、
直射日光が当たる窓側などに
水槽を置いていると、
水温はどんどん上がります。
特にガラス水槽は、
太陽光の熱を吸収して
あっという間に高温になるので
注意が必要です。
日中の日差しが強い時間帯には、
カーテンなどを利用して
日光を遮るようにしてください。
屋外飼育の場合は
直射日光の当たりにくい場所に
水槽を移動するか、
すだれや網などを
日除けにするのも良いでしょう。
メダカの水温は最高&最低は何度まで大丈夫なの?
では、メダカは
どれくらいの水温までなら
耐えられるのでしょうか。
最高温度・最低温度を
それぞれ見てみましょう。
⒈最高温度
近年の日本の夏は異常気象とも言われるほど
気温の高い日が連日のように続いており、
気温が35℃を超える日も
珍しくなくなってきました。
気温が上がれば
当然のことながら水温も上昇し、
特に直射日光の当たる場所では
35℃付近にまで達することもあります。
この水温35℃までであれば、
メダカは生きられるようです。
ただ、高水温下では
酸欠や水質悪化が起こりやすいため、
どんなに丈夫な個体でも
少なからずダメージを受けている
可能性はあるでしょう。
⒉最低温度
一方、メダカは水温15℃を下回ると
活性が下がって動きが鈍くなります。
水底で動かずにいることが多く、
餌も積極的に食べようとはしません。
いわゆる”冬眠”の状態ですね。
自然下で生きているメダカは、
水面に氷が張るようになっても
こうして春が来るのをじっと待つのです。
しかし、水底のほうまで凍ってしまうと
さすがに生きてはいられません。
したがって、
メダカは水が凍らない1℃以上の水温下ならば
真冬でも生存可能ということになります。
ただし、卵や稚魚は
ここまで水温が下がると成長できません。
メダカは水温によっても死ぬことがあるって本当?
前項のお話からもわかるように、
メダカの生存可能な水温は
1~35℃と幅広いのですが、
水温が急激に変化するのは苦手です。
私たち人間も、
激しい寒暖差によって
ヒートショックを起こす危険があります。
メダカもこれと同じで、
短時間のうちに水温が変化すると
ショック状態に陥り、
最悪の場合
命を落とすこともあるのです。
したがって、
メダカ水槽の水温は
できる限り一定に保つこと、
温度を調整する場合には
一気に上げたり下げたりせず
段階的に行うことが大切です。
⇒メダカの水合わせ!簡単にするための方法をご紹介!
水温差がメダカに及ぼす影響については
こちらの記事でも解説しています。
メダカの水温によって餌やりは変えるべき?
先ほどお話したように、
メダカの活性は水温によって
上がったり下がったりします。
そのため、
給餌の量やタイミングも
活性に応じて変える必要があります。
まず、メダカがもっとも活発になる
水温18℃~28℃の時は、
欠かさず給餌を行いましょう。
特に繁殖期のメダカは
多くのエネルギーを必要としますので、
産卵を望んでいる場合は
餌を十分に与えて
体力をつけてあげてください。
水温が高い時は、
メダカの様子を観察してみて
食欲があるようであれば
普段どおり給餌して構いません。
暑さで元気がなく
食欲が落ちているという場合は、
食べ残しが出ないように
給餌量や回数を控えめにします。
食べ残しは水質悪化の原因になるので、
ピペットなどを使って
こまめに取り除いてください。
反対に水温が低い時は、
メダカが冬眠状態になっていれば
無理に給餌をしなくても大丈夫です。
餌を与えても
積極的に食べようとはしませんし、
仮に食べたとしても
消化機能が低下しているため
消化不良を起こす恐れがあります。
飼育者さんとしては
心配になるかもしれませんが、
あたたかくなるまで
ゆっくり休ませてあげましょう。
⇒メダカの餌の量はどのくらい?頻度・回数・時間で健康を保つ秘訣とは
適切な給餌方法については、
こちらの記事でも解説しています。
まとめ
今回の記事では、
メダカ水槽の水温を下げる方法や
季節によって調整するコツを
ご紹介してまいりました。
メダカは小さいわりにタフな魚で
幅広い水温に順応することができますが、
急激に水温が変化する環境は苦手です。
水温の調整を行う際には
一気に上げたり下げたりするのではなく、
ゆっくり時間をかけて
徐々に適温に合わせていきましょう。
また、水温が気になる時だけでなく
普段の水換えの際にも
水温が急変しないように
気を付けてあげてくださいね。
⇒メダカの水換えは不要or必要?水換えに知っておくべき3つの事
こちらの記事では、
水換えについて詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください!