1980年代に一大ブームを巻き起こした
ウーパールーパーですが、
現在もなおペットとしての人気は高く
これから飼い始めようという方も多くいます。
そのユーモラスな見た目もさることながら、
飼育にそれほど手間がかからないことも
選ばれる理由のひとつでしょう。
確かにウーパールーパーは
最低限水と餌さえあれば飼育が可能で、
特別な設備を用意する必要はありません。
とはいえ、
せっかくお迎えするのなら
彼らにとって住み心地の良い環境を
整えてあげたいものです。
そこで今回の記事では、
ウーパールーパーの飼育環境の整え方や
飼育に必要なアイテムについて
詳しく解説していきたいと思います。
初めて飼育に挑戦する方は
ぜひ参考にしてみてくださいね!
ウーパールーパーの飼育!環境の整え方をご紹介!
それではさっそく、
ウーパールーパーの飼育に適した
環境の整え方についてお話していきます。
ウーパールーパーの一般的な寿命は
5~8年ほどと言われていますが、
適切な飼育環境で育てることで
10年以上生きるケースも珍しくありません。
縁あって家族の一員となる子に
元気で長生きしてもらうために、
正しい飼い方についての知識を
身につけていきましょう!
⒈水量の調整
ウーパールーパーは基本的に
活発に動き回る生き物ではありません。
特に大きく成長した個体は
どちらかというと水槽の底の方で
ボンヤリしていることのほうが多いです。
そのため、ウーパールーパーは
水量の少ない環境でも
生きていくこと自体は可能で、
飼い主さんの中には
餌やりや掃除がしやすいという理由から
あえて水量を少なくしている方もいます。
ただ、水量が少ない水槽は
どうしても水が汚れやすいので、
頻繁に水換えを行わなくてはなりません。
また、エアーポンプを使用する場合、
水量が少ないと水の動きが激しくなり
強い水流が苦手なウーパールーパーには
ストレスになることも。
したがって、
水槽に入れる水の量は
飼い主さんが扱いやすい範囲で
多めに調整するのが良いでしょう。
⒉適切な水温
ウーパールーパーが
生存可能な水温域は5~25℃、
もっとも快適に過ごせるのは
15~20℃とされています。
彼らはもともと
メキシコの標高の高い地域に
生息する生き物なので、
氷が張らない程度であれば
低水温も苦にしませんが、
反対に高水温は苦手です。
水温が上がり過ぎると
衰弱して命を落とすケースもあるので、
夏場は水槽に冷却ファンを設置したり
直射日光が当たらないようにするなどして
高水温対策を施してください。
一方、冬場は室内であれば
水が凍るほど水温が下がることは
考えにくいですが、
夜間の冷え込みによる
急な水温変化が気になる場合は
ヒーターを導入すると良いでしょう。
⒊砂利
水槽の底部に砂利を敷くと
水槽全体が見栄えするようになるだけでなく
餌の残骸や糞などから出る有害物質を分解して
水をきれいに保つはたらきをする
「濾過バクテリア」が繁殖しやすくなります。
また、水底付近で暮らす
ウーパールーパーにとっても、
ツルツルのガラス面よりも
砂利の上のほうが動きやすいはずです。
ただ、ウーパールーパーは
餌と一緒に砂利を飲み込んでしまうことが
しばしばあるので、
砂利を敷く場合には
万が一飲み込んでしまっても
肛門からうまく排泄されるように
粒の小さなものを選ぶようにしてください。
粒のサイズは、
糞よりも一回り小さいくらいを
目安にすると良いでしょう。
⒋エアーポンプ
エアーポンプの使用には、
実はメリットばかりでなく
デメリットもあります。
メリット&デメリット
- メリット
・水中に酸素を供給できる
・濾過バクテリアの繁殖を助ける
・水が循環することで
水温や水質が保たれやすくなる - デメリット
・水流が発生することで
ウーパールーパーの体力が消耗する
特に幼生期の小さな個体は
水流の影響を受けやすく、
命を落とすケースもあるようです。
エアーポンプのメリットを
うまく活かすなら、
ある程度成長するのを待ってから導入するか
エアチューブにコックを取り付けて
水流を抑えるように調整すると良いでしょう。
⒌フィルター
水の中で暮らすウーパールーパーにとって
水質の悪化は体調不良や短命の
原因となります。
水をきれいな状態に保つために、
水槽には濾過フィルターを設置しましょう。
主なフィルターの種類と
それぞれのメリット・デメリットを
表にまとめてみました。
フィルターの 種類 |
メリット | デメリット |
上部 フィルター |
・濾過能力が高い ・価格が安い |
照明を設置する スペースが なくなる |
外部 フィルター |
・濾過能力が高い ・水草育成に最適 |
・価格が高い ・置き場所をとる |
底面 フィルター |
・濾過能力が高い ・底砂をろ材に 使用できる |
水草育成には 不向き |
外掛け フィルター |
コンパクトで 小型水槽にも 設置可能 |
濾過能力が低い |
投げ込み フィルター |
価格が安く 入手しやすい |
・濾過能力が低い ・見栄えが良くない |
餌の量も排泄物の量も少ない
幼生期のウーパールーパーなら、
濾過能力が低いフィルターでも
十分にカバーできるでしょう。
しかし、成長するにつれて
排泄物の量が増えてくれば、
投げ込み式や外掛け式では
まかないきれなくなります。
そこでおすすめなのは
濾過能力に優れた
外部フィルターなのですが、
外部フィルターは構造上
設置スペースが必要になるうえに
価格も他のフィルターに比べて高いため、
導入前によく検討してくださいね。
ウーパールーパーの飼育に必要なものをご紹介!
続いては、
ウーパールーパーを飼育するうえで
必要不可欠なアイテムをご紹介していきます。
お迎えしてから慌てないように
前もって揃えておくと良いですよ。
⒈水槽
ウーパールーパーは
水の中で暮らす生き物なので、
ご家庭で飼育するには
水槽がなくては始まりませんね。
ペットショップなどで販売されている
ウーパールーパーは
孵化後1~2週間程度の個体が多いので
体長も2~5cmほどとまだ小さいですが、
ウーパールーパーの成長は非常に早く
2~3ヶ月後にはあっという間に
25cm前後の大人サイズになります。
そのため、水槽を選ぶ際には
成長を見越したうえで
大きめのサイズを選んでおくと良いでしょう。
水量が多いほうが、
水温や水質の管理もしやすくなりますよ。
⇒ウーパールーパーの水槽のサイズ!大きさを選ぶ3つの基準とは?
飼育水槽の選び方については
こちらの記事で詳しく解説しています。
⒉カルキ抜き
ウーパールーパーの飼育には、
水道水をそのまま飼育水として
使用することはできません。
水道水に含まれる「カルキ」が
ウーパールーパーの体にダメージを与える
恐れがあるからです。
そこで、水槽の立ち上げ時や水換えの際には
次の方法でカルキを抜く必要があります。
- 水道水をバケツなどに汲んで
1日以上放置する - カルキ抜き剤を使用する
汲み置きしておくだけでも
カルキは自然と抜けていきますが、
この方法だと時間がかかるうえに
少量のカルキが残ってしまうことも。
一方、薬剤を使えば
水に混ぜるだけで確実に早く
カルキ抜きができるので、
思い立った時にすぐ水換えを行えます。
カルキ抜き剤の種類については、
カルキさえ除去できれば
基本的にはどんなものでも構いません。
出典:https://www.shopping-charm.jp/
こちらの商品のように、
ウーパールーパーの体表や
エラ粘膜を保護する成分が
プラスされたものもありますよ。
⒊水温計
先ほどお話したように、
ウーパールーパーは高水温が苦手です。
水の温度は見た目だけではわかりませんから、
水温計は必ず用意しておきましょう。
出典:https://www.shopping-charm.jp/
こちらの商品のように
一目見ただけでわかりやすいデジタル式のほか
レイアウトの邪魔をしないガラス製のものなど
様々な種類の水温計がありますが、
いずれも1,000円以下で
購入できるものがほとんどなので、
お好みのものを選んでみてくださいね。
⒋餌
ウーパールーパーには歯がなく
顎の力もあまり強くないため
餌はほぼ丸飲みです。
大きすぎて飲み込めない餌は
吐き出してしまうので、
難なく飲み込めるサイズの餌を
成長段階に応じて用意してあげましょう。
ウーパールーパーの餌の種類
- 5cm未満
ブラインシュリンプ - 5~10cm
冷凍アカムシ、イトミミズ - 10~15cm
冷凍アカムシ、イトミミズ、人工飼料 - 15cm以上
人工飼料、メダカなどの生餌
幼生期は体が小さいため
食べられる餌も限られてしまいますが、
10cmを超える頃には
人工飼料も与えられるようになります。
飼育コストを抑えたい方は
人工飼料をメインにすると良いですよ。
⇒ウーパールーパーの餌!おすすめランキングTOP10をご紹介!
餌の種類ごとの特徴や与え方などは
こちらの記事で詳しく解説しています。
⒌ウーパールーパーの飼育にあると便利なもの
上記のほかに、
あると何かと重宝するアイテムを
ご紹介しておきましょう。
まず一つは、
水槽用のスポイトです。
出典:https://www.shopping-charm.jp/
こちらのように
ロングノズルタイプのスポイトを使うと、
水深のある水槽でも手を濡らすことなく
底床に溜まった餌の残骸や糞を
きれいに取り除くことができます。
掃除だけでなく餌やりの際にも
活躍してくれるでしょう。
もう一つは、
ウーパールーパーのための隠れ家です。
出典:https://www.shopping-charm.jp/
ウーパールーパーは視力があまり良くなく、
直射日光や照明の光が苦手です。
そのため、タコツボや土管のような
薄暗い場所を用意してあげると
落ち着いて過ごすことができるのです。
また、水槽レイアウトを楽しみたい場合も
隠れ家は良いアクセントになってくれますよ。
⇒ウーパールーパーの水槽のレイアウト!おしゃれにする3つのコツ
水槽レイアウトについては
こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
まとめ
今回の記事では、
ウーパールーパーの飼育環境の整え方や
飼育に必要なアイテムについて
詳しく解説してまいりました。
揃えるものが意外に多いと感じた方も
いらっしゃるかもしれませんが、
最初に環境がしっかり整ってしまえば
ウーパールーパーの飼育には
それほどお金はかかりません。
(与える餌や導入する機材にもよりますが
年間で数千円程度だと思います。)
ただ、ウーパールーパーは
成長が非常に早く、
小さなベビーもあっという間に
20cmを超えるほど大きくなるので、
水槽や濾過フィルターなどは
簡易的なもので揃えてしまうと
すぐに買い替えが必要になるでしょう。
体のサイズに合わない水槽や
濾過能力の低いフィルターは
ウーパールーパーの体に
負担をかけてしまうことになるので、
最初から成長を見越したものを
用意しておくことをおすすめします。
⇒ウーパールーパーの大きさ!最大でどれくらいまで成長する?
飼育環境と寿命の関係性については
こちらの記事でも解説していますので、
ぜひ併せてご覧ください。