アクアリウムに流木をレイアウトした際に
飼育水がまるでお茶を煮出したかのように
茶色く色づいてしまうことがあります。
この色は流木から溶け出す
アクによるものです。
アク自体は有害なものでは
ないとされていますが、
その茶色く染まった飼育水は
アクアリウムの観賞価値を下げてしまいます。
そのため、
流木を水槽に投入する前には
「アク抜き」の作業が必要です。
そこで今回の記事では、
流木のアク抜きに使える便利なアイテムや
作業を行ううえで注意したいことなどを
ご紹介したいと思います。
流木のアク抜きをする前に、
ぜひ参考にしてみてください。
流木のアク抜きが簡単に?使えるアイテム3選
それではさっそく、
面倒な流木のアク抜き作業を楽にする
便利なアイテムをご紹介していきます。
それぞれの使用方法や特徴を
よく理解したうえで、
アク抜きに活用してみてください。
①重曹
流木のアク抜きは
最低でも1ヶ月ほどかけて
水に浸け置きする方法が一般的ですが、
市販のアク抜き剤を使うと
短期間でアクを抜くことができます。
実はこのアク抜き剤の成分は、
ほぼ「重曹」だということが
わかっています。
つまり、
わざわざアク抜き剤を購入しなくても
普段掃除などに使用している重曹で
代用することが可能なのです。
出典:https://www.shopping-charm.jp/
重曹の使用量は、
水1Lにつき5ℊが目安とされています。
大きな流木をアク抜きするとなると
結構な量が必要になりますが、
重曹は安価なので
金銭的な負担をあまり気にせずに
使用できますね。
なお、重曹でアク抜きした流木は
水槽に投入すると
水質をアルカリ性に傾けます。
飼育している生体に影響が出ないように、
アク抜き後は流木をよく洗いましょう。
②発泡スチロール
また、流木のアク抜きには
鍋で煮沸するという方法もありますが、
この方法だと
鍋に入るサイズの流木にしか使えないうえに
何時間も煮込まなくてはならないため
時間だけでなく光熱費もかかります。
そこで便利なのが、
発泡スチロールなどの断熱容器です。
出典:https://www.shopping-charm.jp/
断熱性の容器にお湯を入れておけば
長時間にわたって高温状態を保てるので、
火で煮込むことなくアク抜きが行えます。
容器は流木が完全に浸かる
サイズのものを選んでください。
保温効果を持続させるために、
蓋付きのものがベストです。
断熱容器が手に入らない場合は
お風呂の湯舟を利用するのも
一つの手ですが、
アクでかなり汚れてしまうので
後々ご家族からクレームが来ないように
きれいに掃除しておきましょうね(笑)
③活性炭
流木を水やお湯に浸すアク抜き方法だと
しっかりアクが抜けるまでに
結構な時間がかかってしまいますが、
中には「そんなに待っていられないよ!」
なんて方もいるのではないでしょうか。
そんな時は「活性炭」を
フィルターの内部に入れておくと、
飼育水に入れた状態で
アク抜きをすることができます。
炭の持つ吸着効果が、
流木から飼育水に溶け出すアクを
取り除いてくれるのです。
アクアリウム用の活性炭は
様々な種類が販売されていますが、
中でも『キョーリン ブラックホール』の
効果は絶大だと言われており、
多くのアクアリストから支持されています。
出典:https://www.shopping-charm.jp/
また、活性炭は流木のアクだけでなく
水槽から発生する独特の臭いも
取り除いてくれます。
ただ、活性炭の吸着効果は
2~3ヶ月程度しか持続しないため、
定期的に交換する必要があります。
また、活性炭によって
水質がアルカリ性に傾く場合があるので、
弱酸性の水質を好む生体を
飼育している場合は注意しましょう。
流木のアク抜きはお湯の方がいいって本当?
重曹や流木用のアク抜き剤を使うと
アクが抜けるまでにかかる時間を
大幅に短縮することができますが、
流木の表面に残った重曹が
飼育水をアルカリ性に傾けてしまうため、
金魚やメダカなどのような
弱酸性の水質を好む生体を
飼育している場合は注意が必要です。
もちろん重曹に浸けた後に
適切な処理を行うことで
飼育水への影響を最小限に
抑えることは可能ですが、
影響の少ない状態になったかどうかを
見た目だけで判断するのは難しいものです。
したがって、
水質管理にまだ慣れていない
アクアリウム初心者さんは
時間がかかっても安全性は高い
お湯や水に浸ける方法で
アク抜きを行うほうが無難でしょう。
また、お湯でアク抜きを行うと
流木の空気が抜けて
水槽内で沈みやすくなります。
⇒アクアリウムの流木が浮く!沈まない原因&固定する方法
流木を水槽内にうまく沈める方法は
こちらの記事でも解説しています。
流木のアク抜きはいつまで煮るの?
鍋で煮沸してアク抜きを行う場合、
煮込んで30分ほど経過したあたりから
アクが出てお湯が茶色く濁ってくるので、
新しい水に交換して再び煮ていきます。
アクが少ないものなら
この工程を1~2回繰り返せば
次第に水が濁らなくなってきますが、
中には何時間煮てもアクが出続ける
流木もあるようです。
アクが完全に抜け切るまで煮ようとすると
形が崩れてボロボロになったりするので、
4~5回煮沸を繰り返しても
アクが出続ける場合は
活性炭や吸着系ソイルなどを使って
飼育水の中でアク抜きを行なったほうが
良いかもしれません。
まとめ
今回の記事では、
流木のアク抜きに使えるアイテムや
作業を行う際に注意したいことなどを
ご紹介してまいりました。
流木のアクを抜く方法は
いくつかありますが、
アクの抜け具合がわかりやすく
安全性も他の方法に比べて高い
水やお湯に浸け置きする方法が
アクアリウム初心者さんにとっては
ベストなのではないでしょうか。
ちょっと時間はかかりますが、
自分で手をかけたぶんだけ
流木への愛着も湧いてくるはずですよ。
⇒アクアリウムの流木!レイアウトを自作するときの注意点とは?
アクが抜けるのを待つ間は、
ぜひこちらの記事を参考に
理想のレイアウトを考えてみてください!