丈夫で飼いやすいだけでなく、
繁殖が容易にできる熱帯魚としても
知られるプラティ。
彼らは繁殖力がとても強いうえに
グッピーと同じ”卵胎生”といって
卵ではなくいきなり稚魚を産むので、
飼育を始めたばかりのビギナーさんでも
繁殖を成功させやすいんです。
しかし、初めての時は
「いつ繁殖活動を始めるの?」
「稚魚はどう育てたらいい?」など
わからないことも多いですよね。
そこで今回の記事では、
プラティをうまく繁殖させるコツや
稚魚の育て方などについて
解説したいと思います。
繁殖に初めて挑戦する方はもちろん、
なかなかうまくいかないという方も
ぜひ参考にしてみてください!
プラティの繁殖のコツ!3つのポイントで解説
今回はプラティの繁殖のコツを
以下の3つのポイントで
解説していきたいと思います。
- 繁殖時期
- 稚魚の色
- 繁殖しない時の対処法
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.繁殖に適した時期はある?
プラティは通常、
春~夏にかけての水温が高い時期に
繁殖活動を開始しますが、
水温が一定に保たれた飼育環境下では
成熟した健康なオスとメスがいれば
年間を通して繁殖します。
ただ、水槽内にいるプラティの数が
メスよりもオスのほうが多いと、
メスがオスに追われ続けて弱ってしまい
繁殖活動が行われなくなることが
ありますので、
確実に繁殖させたい場合は
オスよりもメスの数を多くして
メスにかかる負担を減らしてあげましょう。
一般的に”オス1:メス3”くらいの割合が
望ましいとされています。
2.好みの色を繁殖させるには?
プラティの稚魚の色や模様は
親魚から遺伝することが多いようです。
ただ、プラティは繁殖力旺盛な魚で
同じ種であれば色柄に関係なく
交配するため、
同じ水槽で2種類以上を飼育していると
いわゆる”雑種”が産まれてくる
可能性があります。
特定の色だけを繁殖させたい場合は、
それ以外の色の個体との混泳は避け
同じ色同士のオスメスのペアを
作ると良いでしょう。
反対に複数種を混泳させて
稚魚の色がどのように変化するのかを
観察するのも面白いですね。
なお、稚魚の体色は
早ければ生後1ヶ月を過ぎたあたりから
少しずつわかるようになります。
3.なかなか繁殖しない時の原因は?
先述のとおりプラティの繁殖には
水温が関係しています。
オスとメスを一緒に飼育しているのに
なかなか繁殖しないという場合は
飼育水の温度が低いのかもしれません。
水槽用ヒーターを利用して、
水温を26℃前後に調整してあげましょう。
それともう一つ、
親魚の健康状態があまり良くないと
繁殖活動を行わないことがあります。
餌をきちんと食べているか、
体や泳ぎ方に異常はないかなど、
普段の様子をよく観察してみてください。
プラティの稚魚は隔離しないと危険?
産まれたてのプラティの稚魚は
とても小さいため、
成魚や他の混泳魚と一緒に飼育すると
餌と間違えて捕食されてしまう
恐れがあります。
繁殖で確実に数を増やしたい場合は、
稚魚がある程度の大きさになるまで
別の容器に隔離して育てましょう。
飼育場所などの関係上
隔離するのが難しいという場合は、
水槽内に水草を入れてあげてください。
こちらの動画のように、
稚魚は成魚から追い回されたりした時に
水草の隙間に隠れて身を守ります。
水草を育てるのが初めての方は
アヌビアスナナやミクロソリウム、
ウィローモスなどの育てやすい種類を
選ぶと良いでしょう。
なお、隔離して育てるという方は
こちらの記事で隔離方法を解説していますので
ぜひ参考にしてみてくださいね。
プラティの稚魚の育て方は?
産まれたばかりのプラティの稚魚は
体がとてもデリケートで
病気にかかりやすいので、
予防のために水温は少し高めの
27℃前後を保つようにします。
水質の変化にも弱いので、
水換えは極力避けましょう。
餌の食べ残しや排泄物などは
スポイトを使ってこまめに取り除き、
どうしても汚れが気になるという時でも
全体の1/5程度の換水にしてください。
また、産まれて間もない稚魚は
まだ体が小さいうえに
泳ぎもあまり上手くないため、
水槽内に強い水流があると
流れにのまれて体力を消耗し
弱ってしまいます。
フィルターやエアーポンプの水流は
できるだけ抑えてあげましょう。
稚魚の育成方法については
こちらの記事でも解説していますので、
ぜひ併せてご覧ください。
プラティの稚魚の餌はいつからあげてもいいの?
出典:https://www.otsuka-nettaigyo.com
多くの熱帯魚の稚魚は
お腹に「ヨークサック」と呼ばれる
栄養が詰まった袋を持っており、
孵化してから数日間は
この袋の栄養を消費して過ごすため、
餌なしでも生きることができます。
しかし、プラティの稚魚は
親魚のお腹の中にいる間に
袋の栄養をほぼ使い切っているので、
産まれたその日から餌が必要です。
なので、繁殖に挑戦する際は
あらかじめ稚魚が食べる餌を
準備しておくと良いですね。
プラティの稚魚は
他の魚種に比べて体が大きいので、
成魚用の餌でも細かく潰せば
食べることができますが、
将来的な体格や体色の美しさは
稚魚期の栄養状態が大きく影響するため、
できれば栄養価の高い稚魚用の餌を
与えることをおすすめします。
なお、稚魚期の給餌については
こちらの記事で詳しく解説していますので、
ぜひ参考にしてみてください。
プラティの稚魚の成長速度は早いって本当?
プラティの寿命はあまり長くなく、
平均で1年、長くても2年ほど。
そのため、稚魚が成長する速度も早く
生後1ヶ月で2cm、
2ヶ月で3cm前後まで育ちます。
生後4か月を過ぎる頃には
成魚と変わらないくらいのサイズまで
成長する個体も出てくるでしょう。
生後5ヶ月頃には性成熟期を迎え、
繁殖ができるようになります。
そして寿命を迎えるまでの約半年の間に
4~5回出産を繰り返し、
次の世代へと命を繋いでいくのです。
もし稚魚の成長が芳しくない時は
こちらの記事でご紹介している対処法を
参考にしてみてくださいね。
まとめ
今回の記事では、
プラティを繁殖させるコツや
稚魚の育て方について
解説してまいりました。
飼育下のプラティは
1年中繁殖が可能なので、
思い立った時にいつでも
挑戦できるのが嬉しいですよね。
ただ、水槽内で産まれた稚魚を
そのままにしておくと
成魚に捕食される恐れがあるため、
前もって隔離用の容器や
隠れ家としての水草の準備を
しておきたいところです。
また、稚魚は産み落とされたその日から
給餌が必要になりますので、
稚魚用の餌も忘れずに用意しましょう。
元気な稚魚が誕生すると良いですね!