石を使った迫力満点のレイアウトは、
多くのアクアリストの憧れですが、
アクアリウム用の石をお店で購入すると
それなりの値段がしますよね。
中には握り拳くらいの大きさで
数千円するようなものもあり、
「かっこいいなぁ・・・」と思っても
なかなか手を出しにくかったりします。
そんな時、
「石ならそこらにたくさん落ちているし
拾ってくればいいんじゃないの?」と
考える方もいらっしゃるでしょう。
もちろん良いアイディアではありますが、
川などで拾った石をそのまま水槽に投入すると
生体や水質に悪影響を及ぼすことがあるため、
使用する際には注意が必要です。
そこで今回の記事では、
自分で採取した石を水槽に入れる際に
行うべき処理や気を付けたいことなどを
解説していきたいと思います。
石を使ったレイアウトのコツなども
ご紹介していますので、
ぜひ参考にしてみてください。
アクアリウムの石にはどんな種類があるの?
アクアリウム用の石には
実に様々な種類があり、
形状や色合い、質感などは
石によって違います。
現在は多数のアクアメーカーが
個性的な石を販売していますが、
その中でも代表的な石の種類と
それぞれの特徴を
簡単にまとめてみました。
英石 | レイアウトによく用いられる。 水草や流木とも相性が良い。 |
溶岩石 | 溶岩が冷え固まってできた石。 水質浄化の作用を持つ。 |
気孔石 | 表面に無数の凹凸を持つ。 単体でも存在感抜群。 |
木化石 | 木が石化してできた石。 年輪などが見られるものもある。 |
青華石 | 独特の冷暗色と ゴツゴツした質感が特徴。 |
道端や河川敷などの身近なところでは
なかなか見かけないような
石ばかりですね・・・。
⇒アクアリウムの石!レイアウトにおすすめの種類9選【まとめ】
こちらの記事で
石の種類を写真付きで紹介しているので、
身近な石と見比べてみると良いでしょう。
また、お店で販売されている石は
どちらかというとゴツゴツしていますが、
川などに落ちている石は
水流によって角が取れ
丸みを帯びているものが多いです。
なので、険しい山肌のような
レイアウトを考えている場合は、
理想的な石を見つけにくいでしょう。
つまり筆者が何が言いたいのかというと、
「レイアウトに適した石を自分で見つけるのは
簡単なようで意外に難しい」ということです。
アクアリウムの石の処理!レイアウトする前に行うべきこととは?
とはいえ、
自分で川などから採取してきた石を組んで
素晴らしいレイアウトを作っている
アクアリストも実際に多くいます。
ただ、長い間自然下にあった石には
何が付着しているかわからないため、
水槽の中の生体に悪影響が及ばないよう
消毒・殺菌などの下処理を行って
安全に使用できる状態に
しなくてはなりません。
ここからは石の処理方法について
解説していきます。
①石をよく洗う
まず最初は、
ブラシなどで表面をゴシゴシ擦って
表面の汚れを洗い落としていきます。
先述したように、
長いこと自然下にあった石には
何が付着しているかわかりません。
私たち人間の目では確認できないような
有害物質や細菌などがついている
可能性もあるでしょう。
一見きれいに見える石でも、
洗ってみると水が茶色く濁ってきたりして
意外に汚れていることがわかると思います。
ただし、洗剤の使用は厳禁です。
大きなものだとちょっと大変ですが、
ブラシだけでしっかり擦ってくださいね。
②石を煮沸消毒する
表面がきれいになったら、
続いては煮沸消毒を行います。
海で拾ってきた石の場合は、
塩抜きの意味も兼ねるそうです。
煮込む時間は15~20分ほど、
石全体に熱が回っているようなら
十分でしょう。
煮沸後は天日干しをして
しっかり乾かしてください。
太陽光に含まれる紫外線には
殺菌効果があるので、
1日のうちで紫外線量がもっとも多くなる
10時~14時頃に行うのが効果的です。
アクアリウムに石を入れる時の注意点!水質が変わるって本当?
アクアリウムに石を入れる時に
注意するべきことがもう一つあります。
それは「石は種類に関わらず
飼育水のpH値と硬度を上昇させる」
という点です。
これは拾った石に限らず、
お店で購入した石でも同じです。
石を水の中に入れておくと、
やがて石に含まれるミネラル分が
水中に溶け出します。
この溶けだしたミネラル分が
水をアルカリ性の硬水に変えてしまうため、
飼育している生体や水草によっては
十分に気を付けなければなりません。
心配な方は、
使用したい石が飼育水に
どれくらい影響を与えるのかを
事前に調べておくと良いでしょう。
下処理を終えた石を水に浸けて
2~3日放置した後、
水質測定器具を使って測定します。
出典:https://www.shopping-charm.jp/
水質測定器はこちらの
マーフィード社のものが有名ですが、
より手軽な試験紙タイプなども
販売されています。
石を水槽に入れる時以外にも
様々な場面で使用するものなので、
持っておいても損はないですよ。
アクアリウムの石をうまくレイアウトするには?
石が安全に使用できる状態になったら、
レイアウトに挑戦してみましょう。
ここからは、
石を使ったレイアウトを成功させるための
コツなどをお話していきたいと思います。
アクアリウムのレイアウトには、
「凸型」「凹型」「三角型」の
3つの基本構図があります。
型にとらわれる必要はありませんが、
初心者さんは基本をもとにしたうえで
自分流のアレンジを加えていくほうが
納得のいくレイアウトができるでしょう。
それぞれのパターンの特徴を
簡単にまとめてみましたので、
参考にしてみてください。
①凸型 | 水槽内の中央に石を配置する。 ダイナミックなレイアウトだが、 左右の空間をうまく生かすのが 難しい。 |
②凹型 | 中央に空間を作るようにして 石を配置する。 左右にボリュームを持たせることで 奥行きを表現することができるため、 初心者でも成功しやすい。 |
③三角型 | 石を左右どちらかに寄せて スロープ状に配置する。 高低差をしっかりつけると 実際の奥行き以上の広がりを 演出できる。 |
いずれの構図も、
全体の重心を左右どちらかにずらすと
より自然な雰囲気を演出することができます。
また、全体的な統一感を出すために
石の種類は一種類でまとめるのが
おすすめです。
⇒アクアリウムの石のレイアウト!固定の方法や組み方なども紹介
こちらの記事では
石の組み方や固定方法などを
詳しく解説しています。
石を使ったレイアウトに
初めて挑戦する方は
ぜひ併せてご覧ください。
アクアリウムの石を組む時は接着剤が必要?
せっかく素敵なレイアウトを組んでも、
グラグラと不安定な状態だと
何かの拍子に崩れてしまい
生体や水槽に被害が及ぶことも。
特に石を傾けたり
積み重ねたりしたところは
崩れやすいので、
接着剤を使って
しっかりと固定することを
おすすめします。
一般的な瞬間接着剤を
使用しているケースもありますが、
生体への影響を考えたら
アクアリウム用として販売されている
接着剤を使用したほうが安心でしょう。
乾燥時間や強度などは
各メーカーで異なるので、
色々比較して自分に合ったものを
選んでみてください。
⇒アクアリウムの石の接着剤!グルーガンを使うのがおすすめ?
アクアリウムで使用する
接着剤の種類については、
こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
今回の記事では、
自分で採取した石を水槽に入れる際に
行うべき処理や気を付けたいことなどを
解説してまいりました。
石はそこら中あちこちに
落ちているものですが、
多くのアクアリストが憧れる
山岳レイアウトに使用するような
独特の質感を持った石を探すのは
意外に難しいかもしれません。
しかし、レイアウトの工夫次第では
オリジナリティ溢れる素敵な水景が
出来上がるはずです。
自分好みの石を拾ったら、
生体や水草に悪影響を及ぼさないように
下処理と水質の確認をきちんと行ったうえで
レイアウトに取り入れてみてください。
気に入った石が見つかると良いですね!