丸い顔に、チョロチョロ動くヒゲを持ち
何とも愛嬌のあるナマズ。
自宅で飼ってみたいなと思う方も
沢山いらっしゃるのではないでしょうか。
ナマズと言うと、
池にいる「The・ナマズ」を
想像するかもしれませんが、
実は小さくて可愛い種類から、
大きくて迫力のある種類までいるんです。
そこで今回は、日本にいるナマズを
一覧で詳しくご紹介したいと思います。
それぞれの特徴を詳しく解説していますので、
ぜひ参考にしてみて下さい!
ナマズの種類!日本にいるギギ科のナマズ
ナマズの仲間にはギギ科と呼ばれる
小型の種類のグループがあります。
意外と知られていない種類も多いですが
小さくて可愛い種類も多いので
ぜひ参考にしてみて下さい。
ギギ
出典:http://zakonomizube.web.fc2.com
ギギは最大で30cmになり、
ギギ科の中で最も大きくなる種類です。
捕まえると、「ギーギー」と鳴くことから
名付けられたと言われています。
新潟県以南に生息していますが、
近畿地方以西から九州北東部までが
本来の生息地です。
ギバチに似ていますが、ギギは
しっぽが2叉に分かれているので、
簡単に区別することができます。
夜行性で、昼間は岩陰などに潜み、
夜になると行動し、小魚や
甲殻類などを捕食します。
淡水魚の中では比較的美味で、
西日本では食用魚となっています。
ギバチ
出典:http://www005.upp.so-net.ne.jp
最大で25cmほどに成長し、
近縁のギギやネコギギとは違い
しっぽが2叉に分かれないため
簡単に見分けることができます。
日本の固有種で、神奈川県、富山県以北の
本州に生息していますが、環境変化に弱く、
河川の改修や水質汚濁によって
生息数が非常に少なくなっています。
環境省では絶滅危惧にⅡ類に
指定されており、関東地方では、
近年ほとんど記録されていません。
生活史はあまり分っていませんが、
夜行性で、夜間に底生性の小魚や
水生昆虫を中心に補食します。
アリアケギバチ
長らくギバチと同種と考えられていた魚ですが、
近年の研究で染色体の違いにより、
別種と判明した種類です。
日本固有種で九州西部から長崎県壱岐に生息し、
ギバチとは生息域が異なります。
ギバチ同様に、環境変化に弱く、
生息数を減らしています。
環境省によるレッドリストでは
準絶滅危惧種に指定されています。
夜行性かつ雑食性で、
夜間に活動し、小魚や水生昆虫から
岩に付着した藻類まで食べます。
ネコギギ
オスの全長で13cm前後と、
ギギ科の中では小型の種類です。
伊勢湾、三河湾に流入する
愛知、岐阜、三重県などの
河川のみに生息している日本固有種です。
夜行性で夜間にユスリカやカゲロウなどの
水生昆虫を補食します。
飼育下の観察では、
メスがオスの隠れ家に産卵し、
オスが卵を保護することが分っています。
こちらの動画では、実際に生息する川の
水中での様子をとらえています。
もともと生息地が局所的なことに加え、
環境の変化やギギの流入、ブラックバスによる
捕食などの影響で生息数が激減し、
国指定の天然記念物に指定されています。
これ以上数が減ってしまわないといいですね。
ナマズの種類!日本にいるナマズ科のナマズ
皆さんがイメージする「ナマズ」が属する
ナマズ科の種類をご紹介します。
見た目は似ていますが、
日本には実は4種類の
ナマズにが生息しています。
2018年に新種発表されたばかりの
新しいナマズもご紹介します!
ナマズ
身近な池や用水路に生息し、
日本人に最も馴染みのあるナマズです。
ナマズは最大70cm程になる大型の淡水魚です。
他のナマズ科の種類が局所的に
生息しているのに対し、ナマズは
日本を含む東アジア全体に生息しています。
食用としてはもちろんのこと、
俳句や和歌、絵画にも取り上げられ、
日本の文化に古くから馴染みがあります。
夜行性で、昼間は岩陰や水草の影に隠れ、
夜間に小魚や昆虫、カエルや亀まで
様々な小動物を捕食します。
ナマズの中では環境の変化に強いですが、
それでも河川や用水路の護岸化により
繁殖場所を失い、生息数が減少しています。
他の種類と区別するために、「マナマズ」や
「ニホンナマズ」とも呼ばれています。
ビワコオオナマズ
名前の通り、琵琶湖と淀川水系のみに
生息する日本固有のナマズです。
最大で120cmになり、日本に生息するナマズ
4種の中で最も大きくなり、
在来淡水魚の中でも最大級の種類です。
他のナマズと比べて、頭部が長く、
つぶれが大きいこと、下あごの
突き出し具合が強いことなどから
区別をすることができます。
肉食性で、琵琶湖の食物連鎖の頂点に立ち、
イワトコナマズに比べ、魚食性が強く、
アユ、ビワマス、フナ、
ブルーギルなどを捕食します。
また、時にはブラックバスも食べ、
ブラックバスを捕食できる
数少ない在来魚でもあります。
イワトコナマズ
イワトコナマズは最大で50cm前後と、
ナマズ科の中では小型の種類です。
琵琶湖と瀬田川水系、余呉湖のみに
生息する日本の固有種です。
他のナマズが泥底や藻場に生息するのに対し、
イワトコナマズは岩礁地帯に生息することから
「岩床鯰」と名付けられたとされます。
また、他のナマズの生態については
良く研究されていますが、
イワトコナマズに関する研究は少なく、
生態については不明な部分が多いです。
夜行性で、夜間に活動し、
小型の甲殻類や昆虫を主に捕食し、
時折、小魚も補食しています。
ナマズの中でも最も美味とされており、
淡水魚としては高額で取引されます。
タニガワナマズ
2018年8月に新種として
発表されたばかりのナマズです。
2010年に三重県で捕獲されたナマズの
DNAを解析したところ、既知のナマズとは違い、
新種であることが発覚しました。
調査の結果、タニガワナマズは
愛知、岐阜、三重、長野、
静岡県に生息しています。
他のナマズが河川の中・下流、湖沼、
用水路に生息するのに対し、本種は河川の
上流域に生息することが最大の特徴です。
その事から「谷川鯰」と名付けられました。
全長が50~60cmで、やや細身の体をし、
まだら模様が特徴的です。
新種のため、これから詳しい生態などが
明らかになっていくでしょう。
ナマズの餌って何なの?
ナマズは種類によって多少違いがありますが、
基本的には肉食性の種類が多いです。
小さな種類や個体は
ユスリカやカゲロウなどの水生昆虫から
各種の小魚、甲殻類を中心に捕食します。
大きな種類や個体になると
ブラックバスやコイなどの魚や
蛙やカメ、ネズミなどの
小動物まで餌としています。
そのため、淡水の生態系の中では
最上位に位置する魚と言われています。
また、ギギ科のナマズの中には
岩に生えたコケなどを食べる
雑食性の種類も含まれています。
こちらの記事では、ナマズの飼育下での
餌について紹介しています。
特におすすめの10種類を
紹介していますので、
ぜひ読んでみて下さい。
ナマズの寿命はどれくらい?
ナマズの寿命は種類によっても異なってきます。
大型になるナマズ科の種類は
昔から長寿な魚として知られ、
自然下では10年前後生きると考えられています。
飼育下ではより長生きしやすく、
15年前後の飼育例が多いようです。
小型のギギ科の種類については
生態自体に不明な点が多いため
ハッキリとしたことが分っていませんが、
水槽内では5年以上の飼育例があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は日本に生息する
8種類のナマズを紹介してきました。
どの種類もそれぞれ魅力がありますよね。
種類によっては生息数が
減ってしまっているものもありますが、
チャンスがあればぜひ飼育に
挑戦してみてはいかがでしょうか!?
こちらの記事では、小型のナマズの
飼育方法について紹介しています。
必要な設備や環境について紹介していますので、
こちらもぜひ読んでみて下さい。