カラフルで個性的な珊瑚を配した
美しいアクアリウムは、
アクアリストなら一度は憧れますよね。
でも、珊瑚の飼育は
熱帯魚よりもやや難易度が高いと
言われることが多いため、
挑戦するのを戸惑っている方も
多いのではないでしょうか。
しかし、珊瑚と一口に言っても
その種類は実に様々で、
知識と設備さえあれば
初心者さんでも難なく飼育できる珊瑚も
実はたくさんあるんです。
そこで今回の記事では、
初めてでも育てやすい珊瑚の種類を
特徴や育て方とともにご紹介します。
珊瑚飼育の基礎知識についても
解説していますので、
珊瑚の飼育に興味をお持ちの方は
ぜひ参考にしてみてください!
珊瑚の飼育!初心者でも育てやすい種類厳選5選をご紹介!
アクアリウムで飼育される珊瑚は、
造礁性珊瑚(ハードコーラル)もしくは
軟質珊瑚(ソフトコーラル)の
どちらかに属するものがほとんどで、
いずれも「光合成」によって
エネルギーを作り出すことができる種類です。
飼育難易度としては
一般的にソフトコーラルのほうが
ハードコーラルに比べて低く、
水質の変化・悪化に強く
丈夫な種類が多くあります。
今回は初心者さん向けの種類として
ソフトコーラルの中から4種、
ハードコーラルの中から1種を
それぞれ選んでみました。
お気に入りの珊瑚を
見つけていただけたら幸いです!
⒈スターポリプ
出典:https://www.shopping-charm.jp/
スターポリプはソフトコーラルの一種で、
その名のとおり星のような形をした
可愛らしいポリプが特徴的。
「八放サンゴ亜綱」と呼ばれる
八本の触手をもつ珊瑚に分類されるため、
一つ一つのポリプには決まって
八本の触手があります。
このやや長めの触手が水流になびく様子には
まるで風が吹き抜ける草原のような
美しさがあり、
特に緑系のカラーは人気で
褐色の個体に比べると
高値で販売されていることが多いです。
一般的にソフトコーラルの仲間は
飼育難易度が低いものが多いですが、
中でもスターポリプは
丈夫で水質悪化にも強いため、
初心者さんの入門種としては最適。
ただ、本種の最大の魅力である
ポリプの開きを良くするためにも、
できる限り栄養塩の少ない
清浄な水で飼育するようにしましょう。
⒉マメスナギンチャク
出典:https://www.shopping-charm.jp/
マメスナギンチャクは、
小花のようなポリプが密集する様子から
”海の花畑”とも形容される珊瑚です。
本種もソフトコーラルの仲間で
飼育難易度としては初心者クラスですが、
カラーバリエーションが非常に豊富で
色鮮やかな美しい個体が多いため、
専門に収集するマニアも存在するといいます。
ただ、希少性の高いものは
そのぶん価格も高価になるので、
初心者さんは比較的安価な定番カラーから
飼育に挑戦してみると良いでしょう。
丈夫で水質にもうるさくないので
海水魚が飼育できる環境があれば
本種の飼育は十分に可能ですが、
光が不足すると
ポリプの肉付きが悪くなったり
変色したりすることがあるので、
本来の美しさを引き出すためにも
できれば珊瑚飼育用の照明を
設置することをおすすめします。
⒊ウミキノコ
出典:https://www.shopping-charm.jp/
普段は長い触手を
水流にフサフサとなびかせている
ウミキノコですが、
刺激やストレスを感じた時に
触手をひっこめた姿は
まさにキノコそのもの。
形や動きもさることながら、
淡いピンク色の発色もまた
可愛らしい珊瑚です。
ソフトコーラルに属するため
飼育はさほど難しくありませんが、
マメスナギンチャクなどの
他の入門種に比べると
水質の要求度はやや高め。
水槽内に栄養塩が蓄積していると
ポリプが開かなくなることがあるので、
フィルターを用いた通常濾過の場合は
定期的な水換えが必要です。
また、水流もやや強めが望ましく、
ポリプが揺れるくらいの水流を
ランダムに当ててやるとポリプが伸長し
より美しい姿を見せてくれます。
⒋カワラフサトサカ
出典:https://www.shopping-charm.jp/
フワフワした枝状のポリプが特徴的な
カワラフサトサカ。
丈夫で水質の悪化に強いため
初心者さんが育てやすい種ではありますが、
ポリプをしっかり開かせるには
十分な光と水流が必要です。
照明はできれば
メタハライドランプを使用しましょう。
水流はサーキュレーターを使用して
多方向からやや強めに当てるのが
望ましいとされています。
細く弱々しくなってしまった場合は
光量あるいは水流が不足していないかを
まず見直してみてください。
⒌エダアワサンゴ
出典:http://aoifish.blog.fc2.com/
小花を集めたブーケのようなポリプが
とっても可愛らしいエダアワサンゴ。
こちらはハードコーラルという
硬い骨格をもつ珊瑚の一種です。
ハードコーラルに属する珊瑚は
上記4種のようなソフトコーラルに比べて
水質の悪化に弱い種類が多く
飼育難易度はやや高くなりますが、
エダアワサンゴは比較的丈夫なので
定期的な水換えを欠かさずに行えば
オーバーフロー水槽でなくても
十分に飼育が可能です。
餌を積極的に食べる種類ではないので、
水質に影響することを考えると
給餌は行わないほうが良いと思います。
ただし、
カルシウムやストロンチウムなどの
骨格形成に不可欠な栄養素は
常に補給してあげましょう。
珊瑚の飼育の方法!初心者が知っておくべき4つの基礎とは?
続いては、
これから珊瑚の飼育を始める方のために
多くの珊瑚に共通する育て方について
お話していきたいと思います。
珊瑚飼育の基礎として
まず覚えていただきたいのは
次の4つです。
- 光環境
- 水質
- 水流
- 餌
では、それぞれについて
詳しく見ていきましょう。
その⒈光環境・光合成について
まず、珊瑚を飼育する水槽には
照明器具が必要不可欠です。
というのも、
アクアリウムで飼育可能な珊瑚のほとんどは
光合成によって必要なエネルギーを
作り出しているからです。
アクアショップには様々な種類の照明が
販売されていますが、
珊瑚飼育に適した照明を選ぶうえで
もっとも大切なのは
「明るさや光の構成成分が
飼育する珊瑚の種類に適しているか」。
これらが適合していない光環境では、
珊瑚はうまく光合成を行うことができず
弱ってしまいます。
ただ、近年では
アクアリウムの世界にも
LED照明が広く普及したことによって、
以前よりもかなり楽に
珊瑚向けの照明器具を揃えることが
可能となっています。
その⒉水質について
今回ご紹介した5種類の珊瑚については、
そこまで水質にうるさい種類ではありません。
かといって、
どんな水質環境でも
大丈夫というわけではないので
定期的なチェックは欠かさず行いましょう。
水質には様々な要素がありますが、
珊瑚飼育でに重視していただきたいのは
「水温」と「栄養塩」です。
多くの珊瑚にとって最適な水温は22~28℃で、
一般的には25~26℃を維持できるように
ヒーターやクーラーを用いて調整します。
海水魚を一緒に飼育しているのなら、
この条件はおそらく
クリアできているのではないでしょうか。
一方、栄養塩とは
硝酸塩やリン酸塩などのような
海藻類や植物プランクトンの
餌となる塩のことを指しますが、
これらの過剰な蓄積は
魚や珊瑚に悪影響を及ぼします。
アクアリウムは自然環境と異なり
植物プランクトンによる消費が
あまり期待できないうえに、
栄養塩の発生源である餌が与えられるため
どうしても富栄養状態になりがちです。
したがって、
水槽内に蓄積した栄養塩は
定期的な換水や濾過装置を設置するなどして
除去してやらなくてはなりません。
海水魚を一緒に飼育しているのであれば、
魚の数を減らす(=与える餌の量が減る)のも
栄養塩対策として有効です。
その⒊水流について
珊瑚飼育における水流には
以下のような役割があります。
- 水のよどみを解消する
- 珊瑚の体についた汚れを取り除く
- 照明の光が拡散されて
珊瑚に当たる光の質が上がる
水流が当たる方向や強さなどの好みは
珊瑚の種類によっても異なりますが、
多くは濾過フィルターから
発生する水流だけでは物足りないため、
専用の水流ポンプを別途設置すると
良いでしょう。
その⒋餌について
先述のとおり、
珊瑚は必要なエネルギーのほとんどを
光合成によって作り出しています。
ただ、珊瑚も生き物ですので、
まったく何も食べないという
わけではありません。
自然界のサンゴの多くは、
夜になると触手を伸ばして
主にプランクトンなどの微生物を
捕食しているといいます。
そこでアクアリウムにおいては
プランクトンが発生しにくいことから
人工飼料を餌として与えている方も
いらっしゃいますが、
珊瑚の餌は性質上水を汚しやすいため
水質管理にまだ慣れていない初心者さんは
給餌を行わないほうが無難でしょう。
珊瑚の飼育の費用はどれくらいかかるの?
珊瑚を飼育するにあたって
初心者さんが気になることといえば
「費用」もそのひとつでしょう。
珊瑚飼育を始めるのにかかる費用を
一覧にまとめてみましたので、
参考にしてみてください。
珊瑚 | 約1,000円 ~20,000円 |
・価格は希少性や 大きさによって異なる。 ・通販は安価なものが多いが 送料が高くつくことも。 |
水槽+ 濾過装置 |
約2~10万円 | ・水槽+フィルターの場合は 2~3万円前後が相場。 (フィルターの種類による) ・オーバーフロー水槽は 水槽+濾過槽+ポンプ 合わせて10万円~。 |
周辺機器 | 約5~20万円 | <珊瑚飼育に必要なもの> 照明/比重計/クーラー/ ヒーター/水中ポンプ/ 珊瑚砂/浄水器/餌/ 添加材/人工海水 など。 しっかり揃えるほど 高額になる。 |
表をご覧いただくとわかるように、
珊瑚飼育を始めるには
それなりの費用がかかります。
できれば安く済ませたいと思う方も
いらっしゃるかもしれませんが、
長期にわたって飼育するとなると
簡易的な設備では難しく、
珊瑚が弱って本来の美しさが損なわれたり
最悪死なせてしまうことも。
コストを少しでも抑えたい場合は
通販サイトや初心者向けキットを
うまく利用するのも良いでしょう。
まとめ
今回の記事では、
初めての方でも育てやすい珊瑚の種類や
初心者さんが知っておくべき基礎知識を
ご紹介してまいりました。
いずれも珊瑚飼育の入門種とはいえ
美しく個性的な珊瑚でしたね。
最初は生体だけでなく
飼育に必要な機材などを揃えるのにも
それなりの費用がかかりますが、
色とりどりの珊瑚が織りなす水景は
日々の疲れを癒してくれるに違いありません。
初期投資を少しでも安く抑えたい場合は、
通販やオークションなどを利用するのも
一つの手でしょう。
皆さんもぜひこの機会に
育てやすい種類から
飼育に挑戦してみてはいかがでしょうか。
⇒珊瑚の色と種類を一覧でご紹介!値段&特徴は?【まとめ】
珊瑚の種類については
こちらの記事でも
詳しくご紹介していますので、
ぜひ併せてご覧ください!