色鮮やかな体色と
ヒラヒラとした大きな尾びれが
魅力のグッピー。
見た目以上に丈夫で飼育しやすく
繁殖も容易にできることから、
アクアリウム初心者さんの
最初のお魚に選ばれることも多いですよね。
そんなグッピーを自宅で飼うには、
どんなものが必要なのでしょうか。
アクアショップに行くと
多種多様なアイテムが販売されていて、
どれを選ぶべきか迷ってしまう方も
少なくないと思います。
そこで今回の記事では
グッピーの飼育に必要なアイテムや
それぞれの選び方のポイントを
まとめてみました。
これからグッピー飼育に挑戦する方は
ぜひ参考にしてみてください!
グッピーの飼い方!9つの必要なものを初心者向けにまとめてみた
それでは早速、
グッピー飼育を始めるには
どんなものが必要なのか見ていきましょう。
それぞれ選び方のポイントについても
ご紹介していますので、
購入の際の参考にしてみてくださいね。
1.水槽
まずはグッピーのお家となる水槽です。
水槽には様々な大きさのものがありますので、
ご自分の理想の飼育スタイルに合わせて
選んでみると良いでしょう。
- 少数から飼育を始めてみたい!
⇒30cmキューブ水槽 - 水草も一緒に育ててみたい!
⇒45cm水槽 - ゆくゆくは繁殖にも挑戦したい!
⇒60cm水槽
グッピーは成長しても
体長5cmほどの小さな魚ですので、
小型水槽でも十分に飼育が可能です。
しかし、水槽のサイズに対して
グッピーの数が多すぎると、
飼育数が汚れやすく管理が大変になるうえに
過密飼育はグッピーにもストレスを与え
健康や寿命に影響を及ぼすこともあるので、
水槽内に泳がせる匹数は
”水5Lにつき1匹”を目安にしましょう。
たとえば30cm規格のキューブ水槽なら
水量は27Lくらいですので、
グッピーの数は2~3匹が適当です。
また、グッピーは非常に繁殖力が強く
オスとメスを一緒に飼育していると
どんどん数が増えていきます。
繁殖を希望しない場合は、
オスの個体だけを飼育することで
増えすぎ防止になりますよ。
2.フィルター
飼育水は餌の残骸や排泄物によって
日々汚れていきます。
水質の悪化は思わぬ病気や
寿命を縮める原因となりますので、
濾過フィルターを設置して
水をきれいな状態に保ちましょう。
以下に主なフィルターの種類と
それぞれのメリット・デメリットを
まとめてみました。
メリット | デメリット | |
外部式 フィルター |
・濾過能力が高い ・水草育成に最適 |
・価格が高い ・置き場所をとる |
上部式 フィルター |
・濾過能力が高い ・価格が安い |
・照明を設置できない ・水草育成には不向き |
底面式 フィルター |
・濾過能力が高い ・底砂が濾材になる |
・掃除が大変 ・水草育成には不向き |
外掛け式 フィルター |
・設置が簡単 ・価格が安い |
・濾過能力が低い ・水流が強め |
投げ込み式 フィルター |
・設置が簡単 ・価格が安い |
・濾過能力が低い ・見栄えが良くない |
30cm程度の小型水槽であれば、
コンパクトに設置できる
「外掛け式」がおすすめです。
ただし、機種によっては
グッピーが苦手とする強い水流が
発生するものもあるので注意しましょう。
一方、60cmなどの大きな水槽では
外掛け式や投げ込み式のような
簡易的なフィルターでは不十分ですので、
基本的に「外部式」「底面式」などの
濾過能力に優れたフィルターを
選ぶことになります。
3.照明
照明は色鮮やかなグッピーを
より美しく見せてくれるだけでなく、
毎日一定の時間にON/OFFすることで
グッピーの体内時計が整えられ、
丈夫な作りにも役立つものです。
照明にも様々なタイプがありますが、
近年はアクアリウム界でも
LEDが主流となりつつあります。
価格は蛍光灯に比べてやや高めですが
水草を育成せずお魚メインで飼育するなら
低価格帯のもので十分でしょう。
一方、水草を植栽する場合は、
水草育成向けの照明を選ぶ必要がありますが、
水草によって光量の要求度が違うので
購入の際はしっかり確認してくださいね。
4.ヒーター
グッピーは1年を通して温暖な
南米の熱帯域が原産のお魚です。
そのため、家庭の水槽で飼育するには
水槽用のヒーターを使って
常にグッピーが過ごしやすい水温を
維持する必要があります。
ヒーターにも様々なタイプがありますが、
初心者さんは温度固定式のオートヒーターが
もっとも扱いやすいでしょう。
このタイプのヒーターのほとんどは
一般的な熱帯魚の好む26℃に設定されており、
それ以上になると自動的に電源が切れるため
水温が上がり過ぎる心配がありません。
配線も少なくコンパクトに設置できるので、
小型水槽での使用にも最適です。
こちらの記事では、
グッピー水槽におすすめのヒーターを
メーカー別にご紹介しています。
購入の際の参考にしてみてくださいね。
5.酸素(エアーポンプ)
エアーポンプ(通称”ブクブク”)は、
水槽内に酸素を送り込む装置です。
酸素は飼育水の中にも溶け込んでいますが、
グッピーや水草の呼吸によって消費されるため
それだけでは不十分になることがあります。
そこで、エアーポンプを使って
人為的に水槽内に酸素を供給するわけです。
また、エアーポンプには
次のような役割もあります。
- 水流を起こし水を循環させる
- ろ過バクテリアの働きを活性化させる
- 気化熱により水温を下げる
グッピーは強い水流が苦手なので、
エアーチューブに別売のコックを取り付けて
水流を調整できるようにすると良いでしょう。
エアーポンプ自体に
水流調整機能がついたものもあります。
なお、水槽に設置するフィルターに
「投げ込み式」や「底面式」を選ぶ場合は
動力源としてエアーポンプが必要になります。
6.餌
餌は市販の人工飼料を用意します。
熱帯魚用の人工飼料は
形状や魚の種類別で様々なタイプが
販売されていますが、
グッピーは水面付近を泳ぐ習性があるので
水に浮かぶフレーク状の餌を選びましょう。
また、稚魚期のグッピーには
栄養価が高く消化能力にも優れている
「ブラインシュリンプ」がおすすめです。
餌の量や回数については
こちらの記事で詳しく解説していますので
ぜひ併せてご覧ください。
7.底砂
水草を植栽しないのであれば
底砂なしの水槽(ベアタンク)でも
問題はありませんが、
底砂を敷くと水槽全体の見栄えが
良くなるだけでなく、
水槽内の有害物質を分解して
水をきれいに保つ働きをする
濾過バクテリアが繁殖しやすくなります。
グッピーは中性~弱アルカリ性の
水質を好む魚なので、
底砂の素材としては
水質をアルカリ性に傾ける作用がある
「大磯砂」がおすすめです。
ただ、大磯砂には養分が含まれないため、
本格的な水草の育成には向いていません。
水草水槽の底砂は「ソイル」が一般的ですが、
ソイルは水質を弱酸性に傾けてしまうため
水質管理に慣れていない初心者さんは
ひとまず選択しないほうが無難です。
水草を育成する場合は、
ソイルを使用しなくても育成可能な水草を
選ぶようにしましょう。
具体的にどんな種類があるかは
次項でご紹介しますね。
8.水草
こちらは水草水槽を泳ぐ
グッピーたちの様子を紹介した動画です。
緑鮮やかな水草とカラフルなグッピーの
コントラストがとってもキレイですね!
このようにアクアリウムの水草は
鑑賞性を高めてくれるだけでなく、
以下のような役割も担っています。
- 水質の悪化を防ぐ
- 水中に酸素を供給する
- グッピーの隠れ家になる
水草は残餌や排泄物から出る
有害物質を分解して養分として吸収し、
水質が悪化するのを防いでくれます。
また、水草は光合成によって
水中に酸素を供給してくれるので、
エアーポンプのない水槽では
特に重要な存在です。
ただ、グッピーが中性~弱アルカリ性の
水質を好むのに対して、
現在流通している水草の多くの種類は
中性~弱酸性の水質を好みます。
グッピーは基本的に丈夫な魚なので
水草に合わせた弱酸性の水質でも
生きられないことはありませんが、
やはり適切な環境とはいえない以上
体に負担がかかることは否めません。
したがって、
グッピー水槽で水草育成をする場合は
できるだけ幅広い水質に対応できる種類を
選ぶのがベストと言えるでしょう。
初心者さんにもおすすめの種類を
いくつかピックアップしてみました。
ウォーター スプライト |
グッピーと同じ弱アルカリ性を好む。 近年は水上葉の流通が多いが、 水中化も可能。 |
アヌビアス ナナ |
弱酸性~弱アルカリ性の水質に適応可。 非常に丈夫で初心者にも育てやすいが コケ(藻)が生えやすいため注意が必要。 |
マツモ | 弱酸性~アルカリ性の水質に適応可。 根がないため水面に浮かべて育成する。 葉が細かく稚魚の隠れ家に最適。 |
パール グラス |
弱酸性~アルカリ性の水質に適応可。 大磯砂など砂利系の底砂とも好相性。 |
グッピーと相性の良い水草については
こちらの記事でも詳しくご紹介していますので
ぜひ参考にしてみてくださいね。
9.水質調整剤(カルキ抜き)
水道水の中には塩素や重金属など
グッピーにとって有害な物質が
含まれているため、
飼育水として使用するには
市販の水質調整剤を添加して
これらを無害化する必要があります。
薬品を使わずに
水を汲み置きしておくだけでも
塩素は自然と抜けていくのですが、
塩素が抜けるまでの日数は
季節や天候などによって異なるため、
見た目で安全な状態かを
判断するのは難しいでしょう。
一方、薬品を使用すれば
確実に有害物質を除去できますし、
添加するだけなので時間もかかりません。
水質調整剤は多数のメーカーから
販売されていますが、
基本的にはどんなものでも大丈夫です。
グッピー飼育の初心者にはセットがおすすめ?
さて、ここまでグッピー飼育に
必要なものをご紹介してきましたが、
これらをすべて一つ一つ購入した場合
およそ3万円くらいの費用が
かかることになります。
他にも水換え用のバケツやホース、
水槽内を掃除する網なども必要ですし、
グッピーは品種によって
値段の差が結構ありますので、
実際にはもっとかかることに
なるかもしれませんね・・・。
そこでおすすめしたいのが、
水槽と必要なアイテムがひとつになった
「水槽セット」です。
実は、アクアリウムを立ち上げる際は
必要なものを一つ一つ購入するよりも
セット商品でまとめて購入したほうが
数千円ほど安く済むケースが多いんですよ!
最近はセット商品に注力するメーカーも多く、
様々な内容のものが販売されています。
こちらはGEX社が販売する
グッピー用の飼育セットです。
小型ガラス水槽に外掛け式フィルター、
オートヒーター、水質調整剤と
充実のセット内容にもかかわらず、
値段はなんと2,990円!
底砂や餌は別途購入する必要がありますが、
それでもかなりお得ですよね。
セット商品に含まれるアイテムは
販売メーカーやお店によって違いますが、
基本的には先ほどご紹介してきたものが
揃えられればOKですので、
好みや予算に合わせて選んでみてくださいね。
⇒グッピーの飼育はセットがお得?水槽や酸素などの必要なものまとめ
グッピーの飼育に適した
セット商品の選び方については、
こちらの記事でも解説しています。
グッピーを通販で買うならどのサイトがおすすめ?
飼育に必要なアイテムが揃ったら、
次はいよいよお迎えするグッピー選びです。
ところがアクアショップを訪れると、
- 好みのグッピーが見つからない!
- 希望する品種がいない!
- 値段が思ったより高い!
なんてこともありますよね・・・。
そんな時は、
通信販売の利用も検討してみましょう。
通販サイトでは
実店舗にはなかなか入荷しないような
レアな品種が販売されていることも多く、
また値段も実店舗と比べて
リーズナブルな傾向があります。
好みの個体を直接見て選べないという
デメリットはありますが、
それが特に気にならないようであれば
ぜひ一度サイトを覗いてみてください。
以下におすすめのサイトを
ピックアップしてみました。
チャーム
|
とにかく商品数が豊富で、 グッピーも多数の品種を扱っている。 生体の状態の良さや梱包の丁寧さを 評価するユーザーの声が多い。⇒https://www.shopping-charm.jp/ |
ネオス | 生体が相場に比べて安い場合が多く、 グッピーは5ペアで880円~。 楽天市場内にショップがあるので、 楽天ユーザーはポイントや クーポンが使えてお得。⇒https://www.rakuten.ne.jp/ gold/fish-neos |
ヤフオク! | 選別漏れしたレア品種が 激安で販売されていることがある。 発色やグレードなどに あまりこだわらない人におすすめ。⇒https://auctions.yahoo.co.jp/ |
価格帯や送料、死着保証の有無などは
各サイトによって異なるので、
利用前にしっかり確認しましょう。
なお、グッピーの購入におすすめのサイトは
こちらの記事でもご紹介していますので、
ぜひ併せてご覧ください。
グッピーの寿命ってどれくらいなの?
グッピーの平均寿命は
オス・メスとも10ヶ月~1年程度と
言われています。
アクアショップで販売されている個体は
生後3ヶ月を過ぎた成魚が多いので、
皆さんが実際に一緒に過ごせる時間は
実際もっと短いかもしれません・・・。
しかし、グッピーの寿命は
飼育環境によって大きく影響されるもので、
水質や水温、飼育数、給餌量などを
適切に管理することで
長生きしてくれる可能性も高くなります。
また、適切な環境で育った丈夫なグッピーは
赤ちゃんをたくさん産んでくれますから、
次の世代、その次の世代・・・と
繁殖を楽しむこともできるでしょう。
そのためには、
まずグッピーに適した環境を整えるために
必要なアイテムをしっかり揃えること。
最初は見た目の好みや価格の安さを
重視して選んでしまいがちですが、
それよりも大切なのは
「グッピー飼育に適しているかどうか」です!
まとめ
今回の記事では、
グッピーの飼育に必要なアイテムと
それぞれの選び方のポイントについて
解説してまいりました。
飼育アイテムを選ぶポイントは、
それぞれのアイテムの水槽内での役割を
しっかり理解することと、
価格や見た目の良し悪しにとらわれず
自分の飼育環境に適したものなのかを
よく考えること。
グッピーにとって快適な環境を
整えてあげることができれば、
彼らもそれに応えるように
長生きしてくれるはずですよ。
最初のうちはわからないことも
多いと思いますので、
ショップの店員さんに相談しながら
じっくり選んでいきましょう!