メダカは他の魚に比べて手間がかからず
繁殖も容易にできることから
お魚飼育の初心者さんにも人気です。
皆さんの中にも、
「卵を産ませてみたくて
オスとメスのペアを飼っている」
という方がいらっしゃることでしょう。
しかし、オスとメスを一緒にしているのに
まったく卵を産まないというケースも
少なからずあるようです。
これは一体、どうしてなのでしょうか?
特に産卵を楽しみにしている方は
「相性が悪いのかな?」
「うちの子は卵を産めないの?」などと
心配になってしまいますよね。
そこで今回の記事では、
産卵しない時に考えられる5つの原因と
困った時の対処法をご紹介いたします!
メダカが卵を産まない5つの原因とは?
メダカは繁殖力がとても旺盛な魚で、
オスとメスを一緒の水槽に入れておくと
勝手に卵を産み始めることもしばしば。
「はじめは数匹だったのに
いつのまにか大家族になっていた・・・!」
なんて話も珍しくありません。
では、卵を産ませたいのならば
オスとメスさえいれば良いのかというと
そこまで単純ではないのも事実。
メダカが繁殖行為を行うには
いくつかの条件が揃っている必要があり、
産卵しないのは必須条件のうちの何かが
欠けていることが原因だと考えられます。
特に多い原因は、以下の5つです。
メダカが卵を産まない原因
- オス・メスのペアがいない
- 水温が適していない
- 栄養が足りていない
- 環境が良くない
- 成熟したメダカがいない
それでは、当てはまるところがないか
ひとつずつチェックしていきましょう。
⒈オス・メスのペアがいない
まず、水槽にいるメダカは
本当にオスとメスでしょうか?
当然のことながら、
繁殖行動とはオスとメスがいて
はじめて成り立つものです。
オスばかり、あるいはメスばかりの環境から
卵が産まれることはありえません。
「オスとメスに決まってるじゃない、
店員さんに確認して買ったんだから!」
という場合も、念のため確認してみましょう。
実は、メダカを扱うお店のスタッフでも
オスメスの見分けが正しくできない人が
意外と多くいて、
「この子は元気だからオスっぽいな」
などと適当に判断していることもあるのです。
特にホームセンターなど
専門的な知識を持った人がいないお店から
メダカを迎えた場合は要注意ですね。
自分で性別を見分けられるようになっておくと
今後メダカを購入する際にも役立ちますので、
この機会に覚えてしまいましょう!
メダカのオスメス判別方法
- オスは口が上を向いている
- オスは背ビレに切れ込みがある
- オスはメスより尻ビレが長く大きい
- オスは尾ビレのふちが平ら
いちばんわかりやすいポイントは
尻ビレの大きさです。
メダカが横を向いたところを見れば
初心者さんでも違いに気付けるはずですよ!
⒉水温が適していない
メダカたちにとって
産卵の決め手となるのは「水温」です。
通常、メダカが繁殖活動を始めるのは
水温が18~20℃になる頃。
地域によって多少のズレはありますが
だいたい4~5月あたりからです。
この頃になると、水温の上昇とともに
メダカの餌となるプランクトンが
水中にたくさん発生します。
メダカたちは、この餌が豊富になる時期を
見計らって産卵しているのです。
好きな時に好きなだけ食べられる環境なら
産卵で消耗した体力をすぐ回復できますし
生まれてきた赤ちゃんメダカも
食べるものに困らなくて済みますからね。
しかし、秋を迎えて水温が下がってくると
メダカは繁殖活動をやめてしまいます。
特に水温15℃を下回ると
メダカは冬眠状態になり、
水底でじっとしていることが多くなります。
こうなると卵を産むどころではありません。
産卵~孵化までのことを考えるなら、
最低でも水温20℃あたりを
キープしておきたいところです。
産卵期については、
こちらの記事でも詳しく解説しています。
⒊栄養が足りていない
どんな生き物でもそうですが、
「子どもを産む」という行為には
かなりのエネルギーを必要とします。
メダカも例外ではなく、
特にメスの栄養状態が良くないと
体力不足で卵を産まなくなることがあります。
人間の女性もお腹に赤ちゃんがいる時には
「しっかり食べて体力つけて!」なんて
あちこちから言われたりしますね。
産卵期のメダカも同じように、
メスには特にたっぷりと栄養を与えて
産卵に必要な体力をつけることが大切です。
出典:https://www.kyorin-net.co.jp/index.html
こちらのような産卵・繁殖用の餌は
栄養価が高く、産卵期におすすめです!
⒋環境がよくない
私たち人間が家族計画を立てる時には、
家計や住環境など様々なことを考慮します。
少しでも気掛かりなところがあると、
「もうちょっと後にしようか・・・」なんて
結論になる場合もありますよね。
これはメダカも同じで、
安心して産卵ができる環境でないと
積極的に卵を産みたいとは思わないのです。
メダカが産卵したくない環境とは?
- 水槽が狭すぎる
- 卵を産み付ける場所がない
まず「水槽が狭すぎる」というのは
人間に置き換えるとわかりやすいでしょう。
6畳1間のワンルームでは、
夫婦と赤ちゃんが住むには狭すぎます。
また、メダカは卵を外敵から隠すために
水草の陰に産卵する習性があります。
そのため、卵を隠せる水草などがないと
産卵をためらってしまうのです。
この場合の対策方法については、
後ほど詳しくご紹介しますね。
⒌熟成しているメダカがいない
メダカの成長はとても早く、
孵化から3ヶ月後にはもう一人前の大人。
その頃には生殖行為も可能となります。
ただし、成長速度には個体差があるため、
必ずしも孵化から3ヶ月ほどで
すべての個体が成熟するとは言えません。
当然のことながら、
まだ成長途中の幼い個体には
生殖行為は不可能です。
メダカが繁殖できるようになるのは、
大きさでいえば約2cmくらいからだと
言われています。
「少し小さいかな・・・」と思われる場合は
栄養のある餌をしっかり与えて、
成長を促してあげましょう。
メダカの産卵する頻度はどれくらい?
メダカの繁殖力の強さは
淡水魚の中でも随一で、
1シーズンに何度も産卵が行われます。
産卵するペースは、
普通に飼育していれば2~3日に1回程度。
栄養状態が良好で丈夫な個体だと
最盛期の5~6月には
毎日のように卵を産みます。
なお、1回の産卵で産まれる卵の数は
だいたい10~30個です。
したがって、
コンスタントに産卵が続けば
「1シーズンに産まれる卵の数は1000個以上」
ということになります。
とはいえ、秋が近付くにつれて
産卵する回数はだんだん減ってくるので、
実際にはそこまで多くありません。
メダカが産卵するためのコツはある?
では、メダカに卵を産んでもらうには
どうしたら良いのでしょうか。
水温や栄養状態を管理することの必要性は
もうおわかりいただけましたよね。
このほかに、産卵のコツとして
おさえておきたいのは次の3つです。
メダカに卵を産ませるコツ
- 産卵床を作る
- 飼育数を増やす
- メスよりオスの数を多くする
メダカが卵を産み付ける場所を
「産卵床」といいます。
先ほどお話したように、
これがないとメダカは安心して
卵を産むことができないようです。
水草などが何もないような
シンプルな水槽で飼育している場合は、
産卵期の間だけでも
メダカの産卵場所を作ると良いでしょう。
野生のメダカは主に水草に産卵しますが
家庭で飼育する場合の産卵床には
水草以外の物が使われることも多いです。
特にこちらのタイプは扱いやすく、
メダカ飼育の初心者さんにもおすすめです!
出典:http://product-fish.gex-fp.co.jp/product/
また、メダカの産卵には
オスとメスの相性も大きく関係しています。
メダカ社会のカップリングは
メスに”選ぶ権利”があり、
メスに嫌われてしまったオスは
生殖行為をさせてもらえないといいます。
初めてメダカ飼育をする際、
オスメスの1ペアからはじめる方が
とても多いのですが、
もし2匹の相性が悪ければ
繁殖行動が行われることはありません。
相性の問題を解決するには、
一対一の「お見合い」ではなく
メダカ同士で「合コン」をさせるのが
もっとも良い方法でしょう。
同じ水槽に入れるメダカの数を多くすることで
好みの相手に出会える確率を
高くしてやるのです。
決定権がメスにあることを考えて、
オスを少し多めにしておくと良いですね。
まとめ
今回は、メダカが卵を産まない時に
考えられる5つの原因と対処法について
ご紹介してまいりました。
メダカが産卵しない原因を知るためには
「メダカの気持ちになってみる」
ということが必要なように思いませんか?
どんな生き物にとっても、
「生殖行為をして子どもを産む」というのは
非常にデリケートなこと。
相手のことを好きになれなかったり、
環境に何かしら不安があったりすれば、
積極的に卵を産みたいとは
思えなくなるのではないでしょうか。
生物としての種類はまったく異なりますが、
私たち人間とメダカの考えることには
そう大きな違いはないのかもしれません。
本来、メダカは繁殖力が旺盛な魚。
安心して産卵できる状態を
作ってあげることができれば、
きっと卵を産みたくなるはずですよ!
卵が産まれる前に、
孵化させる方法や赤ちゃんメダカの育て方も
こちらの記事で学んでおきましょう!