”ボトルアクアリウム”の流行によって、
近頃はメダカを飼育する若い人が
増えているようですね。
丈夫で飼いやすいことのほか、
わりと容易に繁殖させられることも
人気の理由のひとつだといいます。
確かにメダカは繁殖力が旺盛な魚で、
オスとメスさえいれば
勝手に卵を産んでいることもしばしばです。
とはいえ、メダカにとっても
「卵を産んでもいいかな」
と思うタイミングはちゃんとあるもので、
繁殖を考えている方はこれを知っておくと
メダカにうまく卵を産ませられるでしょう。
そこで今回の記事は、
メダカの産卵時期を中心に
メダカの産卵についての
基本知識をまとめてみました。
これから飼育数を増やしたいという方は、
ぜひ参考にしてみてください!
メダカが卵を産む時期!知っておくべき5つの事とは?
それではまず最初に、
メダカの産卵時期についての
基本知識から学んでいきましょう。
メダカの繁殖力は淡水魚の中でも随一で、
オスとメスを一緒に飼育していれば
勝手に産卵を始めることもよくあります。
では、メダカの数を増やしたい時には
オスとメスさえ揃えれば良いのかというと、
そうではありません。
今の時期が産卵に適さないと判断すれば、
いくら繁殖力旺盛なメダカでも
卵を産もうとは思わないのです。
また、産卵には年齢や
体の成熟度も関係しています。
では、メダカが卵を産みやすい時期とは
一体いつなのでしょうか。
⒈メダカが産卵できる年齢は?
飼育環境にもよりますが、
メダカは孵化~約3ヶ月で立派な成魚となり、
その頃には産卵も可能になります。
ただし、初めての産卵の際は、
産まれてくる卵の数は少なめのようです。
また、メダカの寿命は野生で約1~2年、
人間の飼育下では約3~4年ほどで、
その間2年くらいは卵を産んでくれます。
⒉メダカの産卵時期はいつからいつまで?
メダカは次のような条件が揃うと
繁殖活動を開始します。
- 水温が18℃以上
- 日照時間が12~13時間
地域によって多少の差はあると思いますが、
カレンダーでいうと
4月から9月上旬あたりまででしょうか。
メダカは1シーズンに産卵する回数が多く、
5月から6月頃の最盛期には
毎日のように産卵する個体もいるほどです。
それなりの数を飼育している場合は、
卵や稚魚のお世話で忙しくなりますよ!
⒊メダカの産卵に時間は関係ある?
メダカが産卵する時間は
だいたい決まっており、
早朝~遅くとも午前中には
卵を産み終えています。
この傾向は、多少の例外はあるものの
多くの個体に共通しているようです。
では、メダカたちはなぜ
朝早くに産卵をするのでしょうか。
それは、この時間帯が
産卵するのにもっとも安全だからです。
体の小さなメダカは、
自然界の中では捕食される側。
特に産卵中は逃げることもままならないので
狙われてしまうとどうしようもありません。
そこで天敵のカエルや鳥などを含めた
多くの生き物が眠っている早朝のうちに
産卵を済ませるようになったそうですよ。
⒋メダカの産卵に適した水温
先述のとおり、
メダカが繁殖活動を始めるのは
水温が18℃を超える頃。
それ以下の低水温下で
産卵することも稀にありますが、
卵の中の稚魚がうまく成長できずに
孵化できないケースが多いです。
卵が順調に成長するには
最低でも20℃以上あることが望ましく、
それを考えれば産卵に適しているのは
「20℃以上の水温が維持できる環境」
ということになりそうです。
また、あたたかな水温であるほど
孵化までの日数も短くなる傾向があります。
卵と水温の関係は
こちらの記事で解説していますので、
卵を育てる前にぜひ読んでみてください。
⒌メダカが産卵しない原因は?
メダカがなかなか産卵しない時は、
以下のことを確認してみましょう。
産卵しない時のチェックポイント
- 成熟したオス・メスのペアがいるか
- 栄養状態は良好か
- 水温は適切か
- メダカが安心して産卵できる環境か
当然のことながら、繁殖というのは
オスとメスがいなくては成立しないことです。
後ほど詳しくお話しますが、
オスとメスの相性も大きく関係しています。
また、オス・メスともに
孵化から間もない幼い個体である場合は、
まだ生殖行為が行えるほど
体が発達していないことが考えられます。
さらに、メスの栄養状態が良くないと
エネルギー不足で産卵できなかったり、
卵の数が少なくなることもあるようです。
栄養のある餌をたっぷり与えて、
産卵に必要な体力をつけてあげてくださいね。
メダカが卵を産みやすい環境とは?
メダカにとって繁殖・産卵は
非常にデリケートな行為です。
産卵を望むのであれば、
産卵期とともにメダカたちの水槽を
「安心して産卵できる場所」に
整えてあげる必要があります。
では、メダカはどんな環境だと
安心して卵を産んでくれるのでしょうか。
メダカが産卵しやすい環境
- 水温が適切に保たれている
- 水草などの「産卵床」がある
- 静かで落ち着いている
水温については先ほどご説明しましたので、
ここではメダカの産卵スポットとなる
「産卵床」について詳しくお話していきます。
産卵を終えたばかりのメダカは
お腹に卵を抱えたまま泳いでいますが、
しばらくすると外敵から卵を守るために
水草の陰に卵をくっつけようとします。
産卵床とは、この習性を利用して
卵を採卵することを目的に
水槽の中に入れられるものです。
水槽の中に産卵床があると、
メダカは安心して卵を産んでくれます。
卵を隠して置ける場所があることで、
「ここなら安全だ」と感じるのでしょう。
水草以外のものが産卵床として
使われることも多く、
最近では飼育者さんたちの間で
こんなものが人気を集めています。
このタイプの産卵床は
「卵トリーナー」などという名前で
販売されていることもありますが、
自作したほうが断然安いです。
また、水草より管理がしやすく、
採卵時の手間も少ないので、
飼育初心者さんにもおすすめです。
メダカの産卵!オスとメスの比率はどれくらいがいいの?
繁殖行為はオスとメスが揃って
はじめて行われるものですが、
すべてのオスとメスが
カップルになれるとは限りません。
メダカの社会ではメスが主導権を握っており、
メスに嫌われてしまったオスは
生殖行為をさせてもらえないのだそうです。
(恋愛市場において女性が有利なのは
人間もメダカも同じなんですね・・・!)
つまり、オスとメスのペアを
1組だけ飼育しているという場合には、
2匹の相性が悪いと繁殖行動は行われません。
最近流行のボトルアクアリウムなど、
飼育数が少ない場合に起こりがちな問題です。
繁殖を狙いたいならば、
メダカの数を次のようにしてみましょう。
理想的なオス・メスの数
- メスよりオスの割合を多くする
(おすすめは”メス1:オス2”) - 全体の飼育数を多めにする
(最低でも合計10匹くらい)
「数打てば当たる」ではないですが、
少数の中よりも大人数の中からのほうが
メスが好みのオスを見つけやすくなります。
要は「お見合い」ではなく「合コン」形式で
カップルを誕生させようという作戦です!
メダカのオスとメスの見分け方は?
さて、皆さんは
メダカのオスとメスを
きちんと見分けられるでしょうか?
実はメダカのオスメスを
見分けられる人は意外に少ないようで、
メダカを扱うお店の店員さんですらも
「この子は元気だからオスかな」
「小柄だからメスだろうな」などと
適当に判断していたりします。
特にホームセンターのペットコーナーなどは
専門的な知識をもった店員さんが
いないことが多いようですね。
そのため「買ってきたメダカが
オスばかりorメスばかりだった・・・」
なんてことも決して珍しくはないのです。
これでは当然繁殖は無理ですから、
なかなか卵を産まない時は
一度調べてみると良いでしょう。
メダカの性別を見分けるポイント
- 口⇒オスは上を向いている
- 背ビレ⇒オスには切れ込みがある
- 尻ビレ⇒オスのほうが大きく長い
- 尾びれ⇒オスはふちが平ら
こちらの動画がとてもわかりやすいです!
いちばんわかりやすいポイントは
「尻ビレ」ではないでしょうか。
オスの尻ビレは大きくて
平行四辺形のような形をしていますが、
メスの尻ビレはオスに比べて小さく
尾ビレに向かって細くなっています。
近くでじっくり見る必要はありますが、
メダカが横を向いている姿を見れば
すぐにわかりますよ。
まとめ
今回の記事では、
メダカに卵を産んでもらううえで
知っておきたい基本知識を
ご紹介してまいりました。
メダカの産卵期は、
気温が暖かくなる4~9月。
この時期にはたくさんの卵を産んで
飼育者さんを喜ばせてくれるはずです。
そのためには、
オスとメスがいることが大前提!
これが意外な盲点になっていることも
少なくありませんので、
改めて確認しておくと良いでしょう。
また、産卵時期が近付いたら
メダカが安心して卵を産めるように
産卵床の準備も忘れないでください。
数種類の産卵床を用意して
メダカとの相性を試してみるのも
なかなか興味深いですよ。
なかなか卵を産まない、という時には
こちらの記事で原因をチェックしましょう。
たくさんの卵が産まれるといいですね!